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困るのは善意の被害者/あなたの一票/関連ガイド記事……p.3
不審な補償金請求、約100件発生!
予測されていた犯行!? |
なぜ、「不審」だったのか? というと、「同じ人物が複数の金融機関に何度もカード被害を申告している」点、また、引き出された被害金を、預金者が「自分がATMに預け入れた」と言っていながら、防犯カメラの記録には別人が映っている点などが判断の元になっているようです。
「預金者保護法」を逆手に取る手口
今年2006年2月に施行された「預金者保護法」では、盗難によるキャッシュカードの不正預金引出しについて、状況に応じて75%、または全額の補償をすることになっています。→ガイド記事「預金者保護法」カード被害は補償される?をご覧ください。この法律が施行される以前から、こうした犯行は予測されていました。まさに想定内の事態ですが、金融機関7、8行で少なくとも約100件の不審な請求が確認されているということは、今後もこれ以上のケースが発生することがあるでしょう。もしかすると、これまでにも「不審だったが、立証できずに補償金を支払った」というケースもあったかもしれません。
1件あたりの請求額は100万円前後が多いということですが、2人で犯行に及べば、100万円の補償金をもらうことができた場合、山分けで50万円ずつということになりますから、やってみようとする者が出てきてもおかしくない金額でしょう。複数の金融機関に何度も被害を申告しているという点から、数百万円、あるいは数千万円の補償金を手に入れようと目論んでいたのだろうと思われます。
次ページでは、補償金請求には警察への届出が必要な点についてなどをお知らせします。