痴漢の対策/痴漢・性犯罪・ストーカーを防ぐ

レイプ殺人犯に誘拐・監禁された少女の手記(2ページ目)

1996年、ベルギーで一人の少女が誘拐された。その後の80日間に及ぶ監禁と性的虐待の事実。世界中を震撼させた事件の被害者が、自分の未来を取り戻すために綴った渾身の手記。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

サビーヌさんのメッセージ

ぜひ読んでいただきたい本です以下はインタビュー中のサビーヌさんの印象的な言葉として、担当者から届いたものです。

「一度きりの不幸に憐れみをかけられ、そこにどっぷり
 はまりながら、いつまでも『犠牲者顔』で生きていたら
 きっと新しい出会いも、未来もなかったと思う」

「だれにでも大なり小なり不幸なできごとはある。
 でもいつまでも『犠牲者』として生きてしまったら
 大切な人生を無駄にしてしまう」

「忘れることはできないが、自分の中で区切りをつけることはできる。
 この本を書くことによって、過去に起こった事実として、
 事件の形跡を残すことはできたが、これから始まり続いていく未来に、
 この不幸な出来事は、私にはもう関係はない。
 これからの人生を前に向かって歩んで生きたい」

「私はこの本で真実をすべて語ったのだから
 これからの私には、自由を得る権利がある」


『すべて忘れてしまえるように』をすべての人に…

この『すべて忘れてしまえるように』は、ショッキングな事件の内容にではなく、サビーヌさんの人間としての強さ、そのたくましくも美しい、強靱な生命力に圧倒されます。悲惨な目に遭ったからといって、悲しんでいるだけでは前に進めない。人は自分の人生を、誰にも邪魔されずに幸せに生きる権利があるのだということに気づかされるのです。

事件後に、サビーヌさんの願いで、それまでは暗かった街の通りには街灯がつくようになりました。本文中の「通りを明るく照らして子供たちの安全を守るには、私の誘拐が必要だったのだ」(p.189)というくだりには、胸が詰まりました。

すべての子どもたちのいる場所が安全であるように、地域社会の協力や努力が必要であることを再確認させられました。また、事件後は、「たとえうさんくさい車でなくても、すぐにナンバープレートに目がいくようになった」(p.187)と、日常的な警戒の仕方にも言及しています。

「不幸な出来事というのは、他人の身に降りかかることはあっても、まさか自分に起きるはずはないと考えがちだ。実際は誰の身にも起こりうるし、どんな通りや場所で起こってもおかしくない」(p.187)などは、平穏な日常に油断している人々に、強烈な説得力で警鐘を鳴らしています。

「すべての被害者に」だけでなく、すべての大人たち、特に子どもを持つ親御さんたちに、また、地域の防犯ボランティア、パトロールをしている方々には、決して「よそで起きたこと」ではなく、「どこの地域でも起こりうる」こととして、ぜひ読んでいただきたい本です。


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