現金や財布。ちゃんと身につけてますか?
網棚やフックに洋服をかけるとき、財布を入れたままにしないこと
<置き引き被害 Case 1>41歳の会社員男性は、妻と二人の子どもと一緒に帰省する列車の中で、財布を入れた上着を窓付近のフックにかけていました。日ごろの疲れが出て、眠ってしまい、妻や子どもたちも長旅で寝入ってしまいました。目が覚めて、車内販売で飲み物を買おうと上着から財布を取り出そうとすると、財布はなくなっていました。皆、目を閉じて眠っていたので、いつ被害に遭ったかすらもわかりませんでした。
<対策>
財布や現金などは、身につけたり(スリにも注意!)、バッグに入れてそのバッグは絶対に手元から離さないようにしましょう。列車内で上着に財布を入れたままフックにかけたり、網棚に置いてしまったりして、財布を盗まれる被害に遭うことが多いのです。仮眠するなら、貴重品は必ず身につけておきましょう。同行者が眠ってしまうようなときは、誰か一人は必ず目を覚ましているようにするか、貴重品の入ったバッグ類は抱えるようにして持ちましょう。手を伸ばされないように、通路側から離して持つようにして、ファスナーもしっかりかけておきましょう。
座席を立つときは貴重品は身につけて
<置き引き被害 Case 2>32歳の会社員女性は、友人と二人で国内旅行に行き、列車で移動していました。乗り換えをして車内で駅弁を楽しむと、おしゃべりの話題も途切れて、二人とも眠ってしまいました。途中、トイレに行こうと思い、ハンカチだけを取り出すと、バッグを座席に置いて上着をかぶせました。窓側の座席で眠っている友人に声をかけることなくトイレに行って戻ってみると、上着だけが残りバッグがなくなっていました。車掌に申し出て、バッグはデッキのあたりで発見されましたが、財布は抜き取られていました。
<対策>
座席を離れるときは、貴重品は必ず持って行きましょう。上着などをかぶせても、かえって、中には貴重品がありそうに思われてしまいます。「自分の手元を離れたら、すぐにも不審者に持って行かれてしまう」と考えておく必要があります。わずかな時間と言えども、盗むのに時間はかかりません。「少しの間なら大丈夫」と思わず、「少しの間でも盗まれる」と思うべきなのです。
子どもにバッグや荷物の見張りを任せないで
<Case 3>36歳の夫婦が子ども連れで海外旅行から帰国して、飛行機から列車に乗り換える際、土産物などの荷物が多かったので、柱のそばにいったんすべての荷物を置きました。下の子どもがトイレに行きたがったので、妻が連れていき、夫は上の6歳の子どもに「荷物を見ているように」と言って、切符売り場に行ってしまいました。子どもは、「うん」と言いましたが、旅の疲れからか、しゃがみこんでボーっとしていました。夫婦が戻ってみると、妻の財布が入ったバッグと土産物の入った手提げ袋が一つなくなっていました。
<対 策>
子どもも数のうち、と思いがちですが、たくさんの荷物の見張りを任せるのは、子どもがかわいそうです。子どもは大人よりも疲れやすく、注意力も足りません。当人は見ているつもりでも、つい、よそに目が向いてしまったり、注意がそれてしまいます。子どもに責任を負わせるのは酷です。何よりも、子どもを放置することは絶対にしてはいけません。米国などでは子どもを置き去りにすると、親は処罰されます。貴重品の管理は大人の責任です。
p.2…Case 4/Case 5