湿気やすい靴箱か、そうでもない靴箱か
通風の良さというポイントは、特に湿気やすい日本の住まいに置いて、いろんな意味でのメリットとなるのです。 |
そのようなお宅の『靴箱』は、内部がまま結露したり、カビなども生えやすく、くふうして扉を撤去して使われていたりするケースも多くみられます。
また、湿気のある無しに関わらず、増えすぎた靴の収納術として靴用棚を自作して玄関たたきの上に置いたり突っ張り式の収納を設置するなど、「扉なし」の状態で靴が並んでいるというお宅もありますね。
『靴箱』にある扉によって、個々の靴から立ち上る悪臭を、玄関の空間に直接垂れ流さないという効果は、確かにあります。しかし、湿気やすい住まいの『靴箱』では、より悪臭の原因たる細菌はその環境では増殖しやすくなり、悪臭を増す主要因にもなります。
「湿気やすい、カビの生えやすい」『靴箱』ほど、靴はオープンに収納すべきでしょう。ニオイやカビを気にして密封を試みるほどに、逆の結果が生じやすいのです。
乾燥剤をいれて靴箱に入れ、革靴など収納する方も居られるかと思いますが、過度の乾燥は革靴にとって、ひび割れなどむしろ悪影響を及ぼすため、注意しなければなりません。
湿気よりも乾燥のほうが気になる住まいもあります。通風の良いマンション中高層階や高台の木造家屋では、一年を通じて常に住まい内部は乾燥しがちで、それは玄関の『靴箱』においても同様なのです。
このような乾燥気味の住まいの場合には逆に『靴箱』の扉がほどほどの湿り気を保つ役割を担います
それでも『靴箱』のニオイが気になるという場合、おうおうにして『靴箱』の持てるキャパシティ以上に靴を詰め込んでいるケースが多く、靴数の見直しと、それらのケアの不備に特に注目したいところです。
以上、ニオイ対策の第一歩をまとめますと、
●湿気やすい『靴箱』のお宅では……なるべく「扉」のない収納を用意する(扉を外す)
●湿気にくい『靴箱』のお宅では……「扉」のある収納を活用し、キャパシティに余裕をもたせる
ただし、「キャパシティ」に言及しますと、いずれの『靴箱』に置いても、オーバーしてしまう数の靴を保管することは勧められません。次項に移りましょう。
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