一間とは? 一坪・一平米など、長さ・面積に関する不動産用語たち
「このアパートは収納が『はんげん』ぶん付いていますよ」「開口部は『よんけん』。結構広いでしょう?」学生時代、不動産屋さんの説明を受けても「いっけん」が一体何を表しているのか分からず、そのまま契約してしまったことがあります。つまらぬことと言うなかれ。住まい関係の世界では、私たちが学校で習ってこなかったような長さや面積の数え方が、現在でも生きているのです。聞いたことはあってもよく知らない、住まいの単位「尺貫法」について、今回は考えてみたいと思います。
「一間」の長さ=1.81メートル(181.8センチメートル)
「いっけん(1間/一間)」と言われてピンとこなくても、「6畳」「4畳半」という言い方には馴染みがありますね。現在、1枚の畳は、タテが約170~191センチ。ヨコが約85~95.5センチというサイズになっています。「団地サイズ」や「京間(本間)」といった違いがあるせいで幅はありますが、基本的に畳1枚は「人が1人、寝そべって足りる面積」だと言われています。
実際、畳の上で大の字になってみると、畳1枚では足りず、2枚必要になるのですが、この「畳2枚分(2畳)」が、敷地の広さや建物の広さを表す「1坪」という広さとほぼイコールなのです。
1坪という広さは、1辺1.81メートル(正確には1.8181818…と際限なく続く)の正方形で、約3.3平方メートル(平米)です。そして、この正方形の1辺こそが「1間/一間(いっけん)」(181.8センチ)です。
なお、半間、1尺、1寸の長さは、下記の通りです。
- 1間の半分が「半間(はんげん)」(90.9センチ)
- 半間を3で割ったものが「1尺(しゃく)」(30.3センチ)
- 1尺を10で割ったものが「1寸(すん)」(3.03センチ)
また、「身度尺」という、人間の身体からうまれた尺度によると、1寸は手の親指1本分の幅を指します。この「身度尺」が、「尺貫法」の単位の基礎になっているのです(ちなみに尺貫法の「貫」は、重さを表す単位)。
昭和41年、「計量法」で尺貫法を取引や証明の計量に利用することは禁止され、正式図面等は、メートル法の表記が義務付けられています。
日常ではメートル法を使うことがほとんどなのに、「住まい」に関して今だ尺貫法が生き残っているのが何故かといえば、やはり「私たちの身体を基準にした尺度」、という柔軟さが生活の「ゆとり」につながるからではないでしょうか。
ところで「35坪」と「100平米」では、どちらが広いのでしょう? 「尺貫法」で表せば、「35坪」対「30.28009坪」。メートル法で表すと、「115.5875平米」対「100平米」。35坪のほうが、15平米も広いのです。さあ、では15平米は、何坪!?
※正解は、15÷約3.3=約4.538坪です。
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