圧倒的な眺望!
セルリアンタワー東急ホテル
通称青山通り、国道246号線は都内でも有数のファッションストリート。特に赤坂見附から渋谷までの間はブランドショップや有名レストランが軒を連ねている。だが、不思議なことにこれはというホテルが存在しない。マニアックな連中には“ホテルの7不思議”の一つに挙げられているほど。何故なのだろうか。東京のなかだけみてもホテルが集積している地区は、ほぼ山手線のターミナルとリンクする。東京駅、有楽町、新橋・汐留、品川、新宿、池袋といった具合に。さらにその内側では赤坂などもある。しかし、渋谷だけが事情が異なる。有名なホテルと言えば、「セルリアンタワー東急ホテル」「渋谷エクセルホテル東急」といったところ。
その「セルリアンタワー東急ホテル」の最上階に位置するのがタワーズバー「ベロビスト」。ここからの眺望はちょっとイケテル。特に夕方プライムタイムの頃がベスト。北側に大きく取った窓からは新宿の超高層ビル群が代々木の森を挟んで広がる。感じとしてはNYのセントラルパークといった印象か。
カウンター席に陣取り、ここでもガイドはジントニックのコリンズグラスを手に完全に陽が落ちるまでの時間を過ごす。完全に窓外が暗闇になり今度は高層ビルの明かりがまるでシャンデリアのように輝くようになるとグラスの中身が変っていることに気付く。夜はテイストを変えてシングルモルトのなかからザ・グレンリベットのオンザロックスを。
このバーは案外と一人でも気に掛けないで長い時間滞在できるのが良い。さすがに読書には向かないが、物事を考えるには最高の舞台になるような気がする。さらにとっておきのアドバイスを。ホテルのバーは、大人の男と女が出会う場所。幾多の映画のシーンでも、ホテルバーは常にめぐり合いの舞台となっていた。あなたも名画の主役を演じてみては!
ところが男が女に、女が男に、ましては知らない人に声を掛けるのは躊躇するもの。一体どういう風に声を掛けるのがベストか。
ホテルバーだけに、やはりお酒の話題がなんと言っても自然な流れを作ってくれる。
「綺麗なカクテルですね、何か思い出が?」
これはガイドが常に常套句にしているアプローチ。ポイントは「思い出=カクテル」という流れ。昔付き合っていた彼が教えてくれたカクテルなんというストーリーが必ず出てくるはず。少しレベルを上げると、こんな感じになる。この場合の状況設定はグループ客。
「誕生日にはどんなお酒が似合うと思います?どなたか誕生日が近い方、います?」
そう、「今日は私の誕生日、バースディカクテルをご一緒に飲んで戴けますか?」という具合。
毎日がバースディであったらね……。
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