画質を見比べてみると
α100と比べたとき、高感度での画質が改善されている。ISO800くらいまでが実用範囲内であるといえるだろう。α100では暗部ノイズがかなりあったが、ここが改善されている。
ただ、α350では高解像度化が進んでいることもあり、α200よりはノイズが多めだ。
また、α350/α200ともDレンジオプティマイザーを搭載しているのだが、逆光のシーンでも大きな効果が感じられなかった。α100/α700ではそれなりに感じられたのだが……。
少なくとも何度か逆光のシーンで撮影したかぎりではあるが、影の部分が明白に明るくなっているようなことはなかったように思われる。
もうひとつ、チェックしておきたいのは昨今のデジタル一眼レフに多く搭載されている撮像素子表面につくゴミを除去する機構だ。
αシリーズではアンチダスト機能と呼ばれている。本体の電源をオフにするたびにこの機能が実行されている。メニューから実行することも可能だ(実行させたあとに電源をオフにしなければならないが)。
今回はα200/α350の標準ズームキットと75-300mm/F4.5-5.6を併用し、かなりの回数のレンズ交換を行っている。そのかなり最後のほうで露出をF25に設定して空を撮影したものが下の画像だ。
▲これは右下にあったゴミ(等倍)。 |
ぱっと見で画面左上と右下に小さめのゴミがふたつほど見られるが、F25でこれだけであれば問題はないだろう。
ただし、アンチダスト機能を任意に使用するにはかなり電池容量が残っていなくてはならないようだ。筆者が試した際には、電池が表示上は40%以上残っていたにも関わらず、電池容量が足りないとされてしまった。
キット同梱のズームレンズはちょっとアレ
さて、α200/α350ともに標準ズームレンズキットとしてDT 18-70mm/F3.5-5.6が同梱されている。▲標準ズームレンズキットのレンズは更新されなかった……。 |
このレンズは2005年、コニカミノルタのα Sweet DIGITAL同梱レンズとして開発されたものと思われる。当時の600万画素前後の解像度には追随できていたものだが、α100/α200の1000万画素、そしてα350の1400万画素という高解像度には追いついていないと思われる。
今回のリリースで標準レンズも更新されるかと期待していたのだが……。
筆者はサードパーティ製の同クラスのレンズか、純正にこだわり、かつ予算に余裕があるのならばVario-Sonnar T* DT 16-80mm/F3.5-4.5 ZAをおすすめする。
また、α100では付属していたメモリースティックDuo→コンパクトフラッシュアダプタは同梱されていない。
▲メモリーカードはCFのみに対応。 |
α700のようにデュアルスロットというわけでもないので、サイバーショットから移行するというような時には注意が必要だ。
コンパクトスタイルからのステップアップ先として……
液晶ディスプレイ上の表示方法にいくつか不満があるものの、通常のコンパクトスタイルデジカメと同じように液晶ディスプレイを見ながら撮影できる感覚というものは他のデジタル一眼レフにはないものだ。ライブビューでも毎秒2枚の撮影ができるなど、基本的な性能も確保されている。
ちなみに光学ファインダーでの通常撮影であれば毎秒2.5枚となる。α200は毎秒3枚だが、これは1400万画素と高画素化されていることが影響していると見るべきだろう。
本文中では大きく触れなかったが、ボディ内蔵の手ぶれ補正機構も充分に動作してくれている。標準ズームレンズのワイド端であれば、1/8秒以下でも充分に撮影が可能だ。
また、バッテリーライフもすべてをライブビューモードで撮影してもCIPA準拠で約410枚と充分。
▲ちなみに光学ファインダーのみであれば約730枚(CIPA準拠)。 |
これまでコンパクトスタイルのデジタルカメラを使ってきたユーザーにとって、違和感なくステップアップできるデジタル一眼レフが登場してきた。
α350はそんな感触を得たデジタル一眼レフだ。
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