いくつか注意点も存在するものの……
ライブビュー用のCMOSが別途に置かれているためなのか、液晶ディスプレイの視野率(用語解説)が90%となっていることに注意しておきたい。当初、このスペックに気がつかずに延々と失敗写真を撮り続けたことがあった。
下の写真を見ていただこう。冬にありがちな「影の巨人」を撮影しようとしたものだ。
▲どうしても柱が写りこんでしまった理由は……。 |
ライブビューではうまく構図を取ってカットしているにも関わらず、どうしても上部に柱が写りこんでしまった。
他社ライブビュー対応デジタル一眼レフの大きな利点である視野率100%が、α350では達成できていないことは確認しておいたほうがいいだろう。
また、他社のライブビューでは多く搭載されているピント位置の拡大機能などはない。そのため、マクロ撮影においては正確なピント合わせがやりにくい(できないわけではない)のは事実だ。
このようにいくつかの弱点を抱えてはいるが、横位置でのライブビュー撮影は快適の一言だ。
ライブビュー用のCMOSイメージセンサを持っているため、シャッターだけで直感的な撮影ができるのだ。ミラーアップしてオートフォーカスをして……という課程を経ずに直接撮影できるのがこれほど快適なものだとは思わなかった。
ライブビュー撮影時でも2枚/秒という連写性能を確保していることも合わせて、動く被写体をフツーに撮影ができる。
いわば、コンパクトスタイルのデジタルカメラと同様の感覚で撮影できるのだ。
さらに疑似光学ズーム(<用語解説)も搭載している。これはライブビュー時のみに使える機能となっている。
コンパクトスタイルのそれのように数十倍というようなものではなく、1.4倍と2倍のみ。
▲右肩にあるスマートテレコンバーター用のトグルスイッチ。 |
それぞれ、770万画素相当、350万画素相当のMサイズ、Sサイズとなってしまうがデジタルズームではないので、劣化のない画像を得ることができる。
ボディの右肩部分にあるボタンを押すだけで通常→1.4倍→2倍→通常と切り替えることができる。
▲上から通常、1.4倍、2.0倍のスマートテレコンバーターでの撮影例。 |
この機能をソニーでは「スマートテレコンバーター」と呼称している。望遠が足りない場合、試してみるといいだろう。
LUMIX DMC-L10にほぼ同じ機能が搭載されているが、画質劣化が少ないこともあって高倍率ズームが必要となるシーンではそこそこに使える機能ではないかと感じた。
さて、ライブビュー以外の撮影機能を見てみるとしよう。
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・Page1 もうひとつのエントリークラス α350
・Page2 ライブビュー+可動液晶ディスプレイ=快適
・Page3 ライブビューの視野率に注意
・Page4 ステップアップ先のデジ一眼
・Page5 α350 スペック&実写画像