とりあえずはここからチェック!
というわけで、Finepix F10とF11で撮り比べてみよう。できればFinepix F10のレビューも参照しつつ読んでいただきたい。まずはマクロモードの合焦速度をテストしてみた。
マクロモードにしたとたんにピントが合う速度が落ちるというのは、Finepix F10における最大の欠点ともいえる部分であった。
被写体との距離によっても速度は変わるが、どのシーンでも確実にF11のほうが早くなっている。それも、かなりの速度差である。
F11ならばマクロモードも心地よく使えるというレベルになっているのは間違いのないところだろう。
▲レンズユニットは同一のものなので、ソフト的な制御を変えてきたと思われる。 |
もうひとつの追加点、シャッター優先AEと絞り優先AEはどうか。
そもそもこのふたつの言葉の意味がわからない読者も少なくないだろう。
簡単に解説すると以下のようになる。
まず、シャッター優先AEとはシャッター速度を決めると、適切な絞りをカメラ側が決定してくれるというものだ。
たとえば噴水や滝などで水の流れを止めて撮影したい場合、1/500秒や1/1000秒に設定する。逆に水の流れを描写したい場合は、1/15秒といったようにシャッター速度を遅くすればいいというわけだ。
シャッター速度が数秒ほど必要になる花火撮影(参考ガイド記事)や、動くものを撮影する流し撮りなどでも、シャッター速度優先AEが使える。
▲F10で撮影した滝。F10では完全にカメラ任せにすることしかできなかった。 |
一方、絞り優先AEとは絞り(F値)を指定すると、適切なシャッター速度をカメラ側が決定するというもの。
こちらは被写界深度(用語解説)を浅くして背景をぼかしたり、逆にピントの合う範囲を広く設定する場合などに使える。
マクロモードにすればコンパクトスタイルのデジタルカメラであっても、それなりにボケを操ることができる。
多くのユーザーにとってやや縁遠い機能かもしれないが、あるとないとでは表現力に大きな差がある。
筆者のように多少なりとも写真をかじったユーザーにはありがたい追加機能だといえるだろう。
さて、このようにしてFinepix F10とF11を実際に使い比べていくうちに、筆者の中にひとつ疑惑が浮かんできた。
その疑惑とは……?
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