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デジタルカメラレビュー EXILIM PRO EX-P600レビュー(4ページ目)

新しいEXILIMが生まれた。その名もEXILIM PRO。PROという名を冠されたものの、その基本はあくまでもEXILIM。爆速、そして使い勝手のよさは変わりません。

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

ピントチェックは半自動でOK

もうひとつ、EX-P600を使用したときに感じた「お、これは!」という機能がある。
ピントチェック機能だ。
再生モード時にPREVIEWボタンを押すと、オートフォーカスをあわせたエリアが拡大されて合焦しているかいなかを素早くチェックできるのだ。
EXILIMの大きな液晶ディスプレイとはいえども、普通に表示しただけではピントがきっちり合焦しているかどうかはわからない。

そこでEX-P600では合焦エリアを記録しておき、そのエリアを一発でズームするという機能を搭載しているのだ。
PCで表示してはじめてピンボケがわかって再撮影……というようなシチュエーションはよくあるが、この機能をうまく利用すればそういった二度手間を避けることができる。
これも非常に実用的な機能だ。

ピントチェック機能は非常に実用的な機能だ。

旧シリーズからの機能も受け継いで……

また、EX-P600はこれまでのEXILIMが持っていた機能もほぼ踏襲している。
メニューなどから変更した項目をそのままメモリしているか否かを選択できる『モードメモリ』が進化して装備されているのは特筆すべき点だろう。
モードメモリは11の項目にわたってメモリできるようになった。

たとえばいつもはフラッシュは自動発光にしているが、マナーの問題で発光禁止にしたとしよう。そして撮影をし、スイッチを切る。
スイッチを切ったときのフラッシュのモードをメモリしているか否かを『モードメモリ』で設定できるのだ。
ここでフラッシュのモードメモリを『入』にしておけば、次にスイッチを入れたときに発光禁止のままになっている。
しかし、『切』にしておけばふたたび自動発光に戻っている……といった項目が11も用意されているのだ。

これによって自分だけのモードを持つEXILIMを作り上げることができるわけだ。
ただ、パーソナルモードを二通りていど記憶できるような機能があってもよかったかもしれない。

哲学を持ったプロダクトデザインの見本

EX-P600はEXILIM ZOOMやEX-S20を使ったときの心地よい使い勝手をキープしたまま、高級機へのステップアップに成功している製品だ。
この使い勝手のよさは「アレもできる、コレもできる」といった取ってつけたような多機能ではなく、哲学として一貫性のあるプロダクトデザインを採用していることから生まれているといっていい。
今回は「画像を楽しませる」というコンセプトの上に「撮影を楽しませる」というコンセプトが積み重なっている。

最初に見たときには「また微妙な製品が出てきたなぁ」と感じたのが正直な感想だった。
しかし、このEX-P600は使い込めば使い込むほどよさがわかるデジタルカメラである。
また、EXILIM PROと銘打たれているものの、初心者にもわかりやすい製品に仕上がっている。

カシオの現行の製品区分も非常にわかりやすい。
200万画素はEX-S20、300/400万画素はEX-Z30/Z40、500万画素はQV-R51。
そして600万画素がこのEXILIM PRO。
他のメーカーでは同じ画素数のものが3機種も4機種もあったりして迷うことも少なくないが、非常に理解しやすいといえるだろう。

当分、EXILIMシリーズのシェアは増加していくのではないだろうか。
使っていてそう思わされた製品だ。
Page1 EXILIMに高級機が誕生
Page2 ハードウェアを俯瞰してみると……
Page3 画質は意外にも……
・Page4 EXILIMという製品哲学
Page5 EXILIM PRO EX-P600 実写画像&スペック
■関連ガイド記事
EXILIM EX-S20レビュー
EXILIM ZOOM EX-Z3レビュー
春からのデジカメシーンを予測
画像エンジンとはなにか?


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