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デジタルカメラの基礎知識(6) 魅惑の宝箱、CCD RAW(3ページ目)

CCD RAWとは画像エンジンを介さずに得られたいわば『生』の記録データだ。このためにファイルサイズは数倍になり、撮影間隔は長くなる。しかし、そこには抗しがたい魅力があるのだ!

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

CCD RAWの持つ最大の利点とは!

3)JPEG圧縮による劣化がない
1)、2)とJPEG記録に比べて不利なことを書いてきたが、CCD RAWで撮影するすべての利点はここに集約している。
JPEGではRGB各色を8bit(256段階)で記録しているが、CCD RAWではほとんどの場合12bit(4096段階)で記録している。
このため1)の容量増大が起き、2)の記録速度低下が起きざるを得ないわけだ。

しかし、その引き換えにまったく圧縮ノイズのない画像が得られるわけである。
参考記事:デジタルカメラの基礎知識(2) なぜデジカメはJPEGで記録する?

さらに色の記録がJPEG(8bit)に比べて高い(12bit)のも高画質という意味において有利である。
なにしろ、JPEGと比較するとざっと16倍の色情報を持っているのだ。

つまり、CCD RAWはCCDからのデータをそのまま記録しているため、より高画質が期待できるということがいえるのだ。
他にどのような弱点があったとしても、この利点には代えがたいのである。

4)自分好みの画像をつくれる
3)に関連しているがCCD RAWのデータでは、デジカメの画像エンジンがまったく介していない。
つまり、ホワイトバランスやシャープネスなどもまったくかかっていない状態のデータが入手できるわけだ。

これらのパラメータを自らの手で加えることができる。
これを『現像処理』という。

筆者の持っているSD9の現像ソフトである『SIGMA PHOTO Pro』での現像シーン。画像は気にしないように(笑)。
かつてはカメラメーカーの供給する現像用ソフトウェアやPhotoshop用のPlug-inを介する必要があったが、いまでは『Photoshop CS』が多くのCCD RAWデータに対応している。
以前に比べれば敷居が低くなったのは確かだろう。
また、PCの処理能力も高くなってきたので、前世紀頃に比べれば現像処理もよりやりやすくなったといえる。

RAW is WAR!

現像処理が必要、撮影間隔が長くなる、撮影枚数が少なくなる……と、少なくない弱点を抱えた記録方式ではあるが、それを上回る『高画質』という魅力をCCD RAWは持っている。
また、実はかなり多くのデジタルカメラにCCD RAWの機能が搭載されている。
Photoshop CS対応リスト

上記のリストに掲載されているデジタルカメラを持っていても、CCD RAWの機能を使ったことがないユーザーはかなりいるのではないだろうか。
実は筆者もE-10のCCD RAW機能は使ったことがない(笑)。
デジタル一眼レフ以外でもキヤノンではPowerShotシリーズの多くがCCD RAWに対応しているし、DiMAGEシリーズの高級機も同様だ。

プロのカメラマンの多くが、ゆっくりと撮影できる環境ではCCD RAWを利用している。
それだけ高画質が期待できるというわけだ。

高画質を必要とする「ここぞ!」というときにはCCD RAWで撮影してみるのもいいのではないだろうか。
CCD RAWを利用した現像処理は面倒ではあるが、はまるとなかなか楽しい。
対応機があれば一度試してみていただきたい。

Page1 CCD RAWっていったいなに?
・Page2 RAWデータには弊害も……
Page3 RAW is WAR!!
■関連ガイド記事
CCDのひみつ
CCDの小型化は絶対的な悪なのか?
画像エンジンとはなにか?
メモリーカードはこれを買え!
偽造バッテリーにご注意!
ヘビーユーザーの? データ管理法


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