画像エンジンが遅くなってしまうと?
一時期、CCDの高画素化が画像エンジンの進化の度合いを上回ってしまったことがあった。その際に起きたのが『1枚撮影すると、その後数秒間シャッターが切れなくなる』という現象であったのだ。
これはデジタルカメラがそのすべての能力を画像処理に回してしまい、その他の動作を行えなくなってしまったために起きたブラックアウトである。
逆にいえば、画像エンジンが優秀なデジタルカメラであれば快適な撮影ができるということでもある。
デジタルカメラの脳!
高速な画像エンジンを搭載していれば、それだけで動画撮影が可能になる。また、画像エンジンが充分な速度で画像を記録できるのであれば、処理中の画像を一時期蓄えておくバッファメモリが不要になり、コスト削減にもつながる。
さらに画像エンジンの省電力性が高ければ、撮影可能枚数の伸びも期待できる。
また、ほとんどのデジタルカメラではJPEGで画像を記録するが、この圧縮作業も画像エンジンが行っており、やはり各社それぞれのノウハウが存在している。
さらに最近の高画素化、CCDの小型化にともなうs/n比の悪化も、画像エンジンでノイズリダクションを行うことで解消されているのだ。
いかがだろうか?
CCDが『デジタルカメラの心臓部』だとするのであれば、画像エンジンはまさに『デジタルカメラの脳』といえるだろう。
画像エンジンこそが、各メーカーの味!
筆者のデジタルカメラレビューの中でも『いかにもFinePixといった画づくり』、あるいは『最近のキヤノンに共通した画像の傾向』というような表現をよくする。これは画像エンジンに各社のノウハウが別個にあり、それぞれのデジタルカメラの『味』となるものが存在するためだ。
つまり画像エンジンが大幅に変わったときなどは、画像の傾向が変わることにつながるわけである。
これまで好きな色味が得られていたメーカーであっても、画像エンジンに手が加わることで傾向が変わる可能性があるというわけだ。
しかし、デジタルカメラによっては画像エンジンを通さずにCCDからのデータをそのまま扱うことができるものもある。
それがRAW(ロウ=生の)データである。
脳である画像エンジンを通さずに得られるデータにはどのような意味があるのだろうか?
というわけで、次回はCCD RAWデータについてである。
・画像エンジンは何をするもの?
・画像エンジンの重要性は無限大?
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