●撮影セットに必要となる要素とは?
まず、物撮りに必要となる要素を考えてみよう。
物撮りの目的はひとつ。
被写体をよりよく見せることだ。
そのための撮影環境が必要になる。その条件として必要になるのは──
1)影が(強く)出ない
2)被写体以外のものが背景に入りこまない
──このふたつが大きな条件となる。
どちらも被写体に視点を集中させるために必要となることだ。
この要素を簡単に満たすものが前出のリファーや、背景ホルダーというわけだ。
●影を消す
まず、被写体の影が強く出ないようにしなければならない。
実際の画像で見比べてもらおう。
左がただ照明を当てて撮影した写真。右が自作撮影キットを使って撮影した写真。
右側の写真がより綺麗に見えるはずだ。
前述のリファーはなにもしなくともうまく光を回してくれる機材であるが、なにしろ高い。
また、ディフューザーという専用の機材がある。しかし、これも数千円という値段がする。
もっと安上がりに光を回す方法がある。
被写体の周囲にトレーシングペーパーを掲げることだ。
……いや、ディスプレイの前で眉につばをつけてはいけない。
本当にこれだけで効果は充分なのだ。
リファーのほうが手軽ではあるが、トレーシングペーパーだって負けてはいない。
●影には光をあてましょう。
また、影を消すアイテムとしてレフ板が必要だ。
影になっている部分に光をあてて打ち消すことができる。
これも市販品がある。しかし、これを作っているのは真夜中で、カメラ店が開いているはずもない(笑)。
というわけで、こちらも自作した。といっても、キッチン用のアルミ箔をボール紙にテープで貼りつけただけだ。
泣けるほどチープな出来だが、効果は充分。
もうすこしちゃんとしたものが欲しい場合は、CG・画像加工ガイドのこちらの記事を参照していただきたい。
●被写体を浮き立たせる
次に、余計なものが背景に入り込まないようにしなければならない。
これも専用のフォトスクリーンが売られているが、これはケント紙で代用できる。プロの現場でもケント紙を使うことがあるほどだ。
近所に大判のケント紙が売っていなければ、模造紙でもいいだろう。
●なんと予算は255円!
ここまででかかっている予算はトレーシングペーパーが35円、ケント紙が220円でなんと255円(税別)。
恐ろしいことに専用の機材を買う場合に比べて1/100以下の予算である。
さて、材料は揃った。
これをいかにして使えばきれいな物撮りができるのだろうか。
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・オークション写真、綺麗に撮らせます
・物撮りに必要な条件は?
・工作開始!