この季節、「昔は庭先でもいで食べるものだった」と言われる無花果(いちじく)ですが、4~5個入りで500円前後と、今では高価な値がついて店頭に並んでいます。そしてまた、年中食べられる野菜や果物が出回る中、季節を感じる数少ない食材でもありますね。
いちじくの旬は8月から11月位まで。その果実は6~7月に成熟する夏果と,8月以後に熟す秋果があるのですが、秋果のほうが風味がよいようです。夏果は前年秋に結実したもの、秋果はその年に結実・成熟したものです。そのまま食べたり、ジャムやドライフルーツなどに使われますが、コンポートやムースなど、ケーキ屋さんのウィンドウでもよく見かけるようになりました。
100g中26mgも含むカルシウムをはじめ、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含むアルカリ食品で、薬用効果として整腸作用、血圧降下、健胃、滋養、消化の促進、二日酔いにも効き目あり。お肌をキレイにする効果もあるこの無花果、一年で一番おいしい旬に、たくさん味わってみませんか??
イタリアン定番のアンティパストは生ハムとの組み合わせ。表面の赤紫色が全体に均一でしなびておらず、上の写真のように割れた部分が小さく中身がすこしのぞいているくらいのものを選びます。皮をキレイに洗って皮ごと四つ割りにした無花果を、生ハムで巻いて盛りつけます。テーブルの上で黒こしょうを挽きかけて。。
もう1品、無花果を使ったオススメイタリアンレシピはリゾット。玉ねぎとお米(0.5合)をオリーブオイルで炒め、透明になってきたところで野菜スープを注ぎます。2,3回に分けて全部で250~300cc加えて米を柔らかくします。アルデンテになったら無花果の角切りを散らし、さっとひと混ぜします。お皿に盛りつけてから、お好みでパルメザンチーズをふりかけて・・。相性のいい生ハムをプラスしても豪華で、おいしくいただけます。
イタリア(特にフィレンチェ)ではこの季節、フォカッチャのようなパン生地の上に無花果を載せて焼いたものがパン屋さんなどに並び、定番アンティパスト、生ハムとの組み合わせと共に季節の名物になっているようです。
そして、フルーツクッキングの定番、ジャム。無花果にはジャムに適度な粘りを与えてくれるペクチンがたくさん含まれています。ただし無花果は酸が少なく果肉も白いので、砂糖と一緒に煮るだけではキレイな色に発色してくれません。そこでレモン汁を加えると、無花果に含まれるアントシアン(色素)が発色して赤く色づいてくれるのです。アントシアンは皮に多く含まれます。果肉と一緒にジャムにすると、発色の良いものができるのでオススメです。
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**無花果のジャム**
**材料
・無花果 500グラム
・レモン汁 1個分
・砂糖 200~300グラム
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**作り方
1)無花果は、洗って皮を取り(皮は取っておく)、適当な大きさに切って鍋に入れます。
2)もうひとつ別鍋を用意して皮を入れ、加熱しながらすりつぶします。砂糖を大さじ4ほど入れて煮ます。レモン汁少々を加えてジャムにします。
3)果肉の方の鍋は、木べらなどでつぶしながら弱火で加熱し、実をやわらかくします。柔らかくなってきたら砂糖を2回に分けて加え、皮を煮たものを一緒に混ぜ、最後にレモン汁を加えましょう。
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**Point
★ペクチンが多く含まれているので、長時間煮詰めなくてもすぐにジャム状になってくれます。熱いうちに煮沸した瓶の口までいっぱいに詰め、すぐに蓋をしておきます。
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最後に、無花果デザートの入門編、レンジで簡単に作れるコンポートに、クランブルを載せて焼いたアツアツデザートレシピをご紹介いたします。
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