ラテン語で、「大地の塊茎」という意味の言葉が転じて生まれた美食の代名詞“トリュフ”。地中に隠れてその一生を終える泥だらけの姿からは想像もつかない魅力的な香りと味わいで、私たちを魅了します。この不思議なキノコはカシ、松、ハシバミなどの木の根とともに共生して成長します。海抜やpH濃度の他、土壌の質や気候など、様々な自然条件をクリアして成育するのです。 「トリュフ=フランス料理」というイメージがありますが、実は世界のトリュフの約70%はイタリアで産出されています。黒トリュフはイタリアトスカーナ地域のウンブリア州ノルチャ産、白トリュフは北イタリアのピエモンテ州アルバがあまりにも有名です。フランスで採れるものは、黒トリュフなら南西部ペリゴールや南仏、他にスペイン産、中国産のものもあります。 食べられるもので30種類以上あると言われているトリュフの中で、現在日本に流通しているのは6種類ほどです。秋から早春にかけてはトリュフの中の王様であるペリゴールの黒トリュフやアルバの白トリュフ、そして6~8月が旬の夏トリュフ、9~12月の秋トリュフ、11~2月の中国トリュフ(比較的安価)などがあります。 白トリュフと黒トリュフの違いは、その食べ方にあります。 黒トリュフの方は、比較的豊作の近年、手に入りやすくなったことも確かです。表面は黒光りしてごつごつとした凹凸があり、スライスすると表面には木目のようなマーブル模様が入っています。 ただ、いくら高級品でも、あの強烈な香りがちょっと、、と感じる人もいるはず。初心者は薄くスライスしたトリュフ入りスクランブルエッグに。すこし慣れてきたら生のトリュフをそのまま厚めにスライスして、おいしい粗塩をふりかけ、イタリアワインと一緒に。バター焼きにしたスライストリュフを、オリーブオイルを塗ったトーストに載せても美味。お米の中に保存して、香りが移ったお米をリゾットに!という贅沢も。 2月が最盛期の黒トリュフ。土の中で育ったきのこのすりおろしを、同じく土の中で育った聖護院かぶらのポタージュに加えてみました。仕上げのふわふわメレンゲの上からスライスしたトリュフを。。 |
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**聖護院かぶらのたまごポタージュ**
**材料(2人分)
・聖護院かぶら 1/8個 |
**作り方
1)たまねぎは薄くスライスし、かぶは皮をむいて薄い短冊切りにしておく。トリュフは半量をおろし金ですりおろす。 2)鍋にバターを溶かし、1のたまねぎとかぶを、焦がさないようにゆっくりと炒める。かぶが透き通ってきたら、水300ccと野菜コンソメを加えてふたをし、柔らかくなるまでゆっくり20分ほど煮る。 3)かぶが柔らかくなり、水分が少なくなってきたらすりおろしたトリュフを加えてひと煮立ちさせ、ミキサーにかけて鍋に戻す。味を見て塩、こしょうをする。 4)卵白を軽く泡立て、3に加える。皿に盛りつけてトリュフのスライスを散らす。 |
**Point |
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**BGM F.List Les jeux d'eau a la Villa d'Este (F.リスト「巡礼の年報第3年より~エステ荘の噴水」) |
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