上位2割の顧客でなんと80%の収益
欧米でもアジアでも、メガキャリアはこぞってプレミアムな顧客層にターゲットを切り替え始めました。その背景には「顧客の上位2割が収益の80%を生み出す」というマーケットの構図があります。
実際、あるエアラインの幹部はその収益構造について「ビジネス1人分でエコノミー4人分に匹敵する」と話してくれました。エコノミー運賃の低下が進めば、経営における上級クラスの重要性はより高まります。一方で、全収益の20%しか生み出さない残る8割の層をターゲットにしながら、徹底した低コスト化で十分に利益を出しているのが、ここ数年台頭が著しいLCC(ローコストキャリア)なのです。
ボーイング787を日本路線に投入予定のLCCジェットスター航空 |
メガキャリアにとって低運賃勝負には限界があるとすれば、サービスがよければ高い料金を喜んで払ってくれる層をターゲットとするのは当然の流れ。ハイエンドのサービス勝負になると、こちらはLCCでは対抗できません。メガキャリアが推進するプレミアム戦略は、厳しいエアライン業界での生き残りをかけた、まさに最後の大勝負といっていいでしょう。
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