第8位/ブリティッシュ・エアウェイズ
国際線ビジネスクラスのサービス向上競争が年々ヒートアップするエアライン業界にあって、ひときわ大きな注目を集めてきたのが、“フラットシートのパイオニア”として知られるBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)です。1億ポンド(約220億円)を投じて開発を進めてきた次世代型ビジネスクラス──新「クラブ・ワールド」が、2007年9月から成田/ロンドン線でもデビューを果たしました。
新しいクラブ・ワールドが導入されたボーイング747-400のキャビンに足を踏み入れると、目の前に広がる不思議な光景に思わず立ち止まってしまいます。進行方向に対してうしろ向きのシートと前向きのシートを交互に配置。このユニークなシートは、BAのデザインチームと国際的な設計会社タンジェリン社とのコラボレーションでデザインされ、製造は北アイルランドのBEアエロスペース社が担当しました。私もロンドン取材の帰りの便で体験しましたが、暖色系のグレイやネイビーを基調にした色づかいで、キャビン全体に落ち着きと気品が漂います。
東京/ロンドン線を飛ぶ747-400(左)と、新クラブ・ワールド(右) |
新シートには、NASA(アメリカ航空宇宙局)との共同で開発した独自の座席姿勢が取り入れられています。“Zポジション”と名づけられたこの座席姿勢の導入で、ビジネスシートの快適性はますます進化しました。人間の身体が無重力状態で自然にとる姿勢をシート上で再現したという“Zポジション”は、上体が軽く起き、ひざがやや曲がった姿勢でシートが身体をしっかりとサポート。このシートに身を委ねて朝までゆったり過ごしたことで、忙しかったロンドン取材の疲れもかなり癒されました。
思えば、2000年に業界初のフラットシートをビジネスクラスに導入したのもBAでした。“Zポジション”を装備した最新のビジネスシートには、そんなBAのパイオニアとしての“こだわり”が感じられますね。BAは成田からハブ空港であるロンドンへ、毎日2便を運航しています。
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