社員たちの経験を会社の財産に
臨機応変なサービスで人気
「経営が苦しくなった時期の人員削減も、ふつう会社は、給料の高い古い社員から切りたいですよね。でもスイスエアーは、若い層から順にリストラしていったんです。“若い人たちは次の働く場を見つけるチャンスも多いだろう”というのが会社の説明でした」
そう話してくれたのは、LX169便に乗務していたビジネスクラス担当の長尾美紀さんです。長尾さんはスイスエアー時代に日本人客室乗務員第10期生として入社。以来、18年勤務を続けてきました。その間、結婚して現在は2児の母となりましたが、いまも現役で東京/チューリッヒ間を飛び続けています。
航空分野でも揺るぎない、伝統のスイスブランド(左)。チューリッヒ空港ラウンジの世界一番長いカウンターバー(右) |
「機内サービスは“必要なときに、必要なものを提供する”を基本にしています。サービスのやり方をマニュアルで縛らず、クルーたちの臨機応変な対応に任せている。そんな点も私たちの会社の大きな特徴かも知れません」と長尾さんは続けます。「そのためには当然、社員一人ひとりの経験に多くを頼ることになります。この会社には、日々のフライトで社員たちが蓄積してきた経験を会社の財産として尊重しようという風土が、社内に伝統として息づいているんです」
≫≫≫ 次のページは「日本人客室乗務員の採用も10年ぶり再開」