個性的なデザインのシートが続々と登場
旅客機はそれぞれの機種ごとに、標準となるシート数がメーカーによって決められています。ボーイングの資料を見ると、たとえば多くのエアラインが国際路線に投入している777-200の標準座席数は、3クラスで設定した場合に「ファーストクラス16席(シートピッチ61インチ)、ビジネスクラス58席(同39インチ)、エコノミークラス227席(同32インチ)」の計301席。基本のシート数が決められているのはエアバスの機種でも同じです。
ルフトハンザ(左)とコリアンエアーのシートレイアウト |
ところが、この基本どおりのシート数で機材を運航しているエアラインは、実際にはほとんどありません。その機材の投入路線の需要が各社で違う、というのが大きな理由です。座席数を少なくしてゆったりしたスペースを提供できなければファンから見放されてしまう──そんな危機感から、シートやレイアウトに個性を打ち出すエアラインがここ数年はとくに増えてきました。
その傾向が顕著に現れているのが、ビジネスクラスです。「ビジネスクラス1席分の収益はエコノミークラスの4席分に匹敵する」と、あるエアラインの幹部は言います。ビジネスクラスの充実はブランドイメージの強化にもつながるため、競争は激化する一方すね。
コンチネンタル航空(左)とスカンジナビア航空のキャビン |
では、座席数やシート配置はどやって決まるのでしょうか? その裏側をちょっとだけのぞいてみましょう。
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