航空券/航空券関連情報

キャビンレイアウトはどうやって決まる?(2ページ目)

搭乗開始のアナウンスが流れ、機内に足を踏み入れると、これから旅が始まるんだなとワクワクしますね。ところで、キャビンレイアウトはエアラインによってさまざま。シート配置などはどやって決まるのでしょうか?

執筆者:秋本 俊二

いよいよデビューするA380のキャビンは?


たとえばボーイングの機種では、シートピッチが1インチ(2.54センチ)間隔で調整できるようになっています。

通路が中央に1本の“ナローボディ機”では左右両サイドのシートスペースに2本ずつ計4本の、通路が2本ある“ワイドボディ機”では左右と中央のスペースにそれぞれ2本ずつ計6本の座席固定用レールをあらかじめ設置。そのレール上に1インチ間隔でビス用の穴が空いていて、2席並び、3席並び、4席並びといった座席ユニットを前後2カ所で固定できるようになっています。

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ボーイングの機種ではシートピッチが1インチ間隔で調整できるようになっている

その基本仕様にさえ従えば、どんなシートをどうレイアウトするかはエアライン各社の自由。「このクラスを制する者が競争を制する」といわれるビジネスクラスでは、従来のファーストクラスを超えるような豪華なシートも登場しました。

最近登場した中では、ヴァージンアトランティック航空ニュージーランド航空エア・カナダが導入したビジネスシートがユニーク。進行方向に対してシートを斜めに配置したレイアウトが特徴です。

背もたれを倒すと180度平らになる「フルフラットベッド・シート」も最近は当たり前になりました。シンガポール航空がボーング777-300に2006年末に導入した新しいビジネスクラスは、シート幅が30インチ(約76センチメートル)、シートピッチは76インチ(約193センチメートル)と、このクラスのフルフラットベッド・シートとしては業界最大。前述した3社が少しでも座席数を確保するため斜めにシートを配置しているのに対し、全席を正面に向けた1-2-1のレイアウトはじつに大胆なチャレンジといえるでしょう。プライバシーを確保したデザインも個性的です(「シンガポール航空の超豪華新キャビン」参照)。

この10月25日にシンガポール/シドニー線で世界に先駆けてデビューするシンガポール航空のエアバスA380や、2008年にANAが就航するボーイングの次世代中型機787には、はたしてどんなシートが登場するのか。これからしばらくは、エアライン各社のニューキャビンの話題が尽きませんね。


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