事故のニュースが教えてくれたこと──その2
乗客乗員は90秒で機外に脱出できなければならない
通常は乗客の乗り降りに使うドアは左前方の1カ所か2カ所だが…… |
空港のゲート付近で搭乗待ちをしている間、ケータリング会社の車両の荷台が旅客機のドアの高さにまで上昇している姿をご覧になったことはありませんか? 機内食や備品などの搬入は、主に機体右側のドアや後部のドアから行われます。乗客の乗り降り使うドアが一般に「出入り口ドア」と呼ばれるのに対し、それ以外のドアは「業務用ドア」としての役割を果たしているのです。
また、それぞれのドアは非常時の脱出口としても大切な役割をもっています。今回のチャイナエアライン機の炎上事故のニュースでは、キャスターや解説者が「90秒ルール」という言葉を口にしていました。アクシデント発生時には、全乗客の脱出を90秒以内に完了できなければいけないという安全に関する決まりがエアライン業界にはあり、どの機種にもそのために必要な数のドアがきちんと配置されているのです。
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