航空券/航空会社・エアライントピックス

中華航空機炎上でわかった旅客機のヒミツ(3ページ目)

那覇空港で起きたチャイナエアラインの炎上事故──びっくりしましたね。ところで、乗客乗員の間一髪の脱出劇をテレビのニュースを見ていて、旅客機の構造や仕組みについていくつか分かったことがありました。

執筆者:秋本 俊二

事故のニュースが教えてくれたこと──その2
乗客乗員は90秒で機外に脱出できなければならない


photo-3
通常は乗客の乗り降りに使うドアは左前方の1カ所か2カ所だが……
通常、旅客機への乗客の乗り降りは左側前方のドアからと決まっています。しかし空港に駐機している機体を見ていると、どの機種にも左右にたくさんのドアがありますね。エアライン各社が長距離国際路線の主力機材として導入しているボーイング777-300を例にとると、ドアは左右に5カ所ずつ、計10カ所にあります。では、乗降以外のドアは何のためにあるのでしょうか?

空港のゲート付近で搭乗待ちをしている間、ケータリング会社の車両の荷台が旅客機のドアの高さにまで上昇している姿をご覧になったことはありませんか? 機内食や備品などの搬入は、主に機体右側のドアや後部のドアから行われます。乗客の乗り降り使うドアが一般に「出入り口ドア」と呼ばれるのに対し、それ以外のドアは「業務用ドア」としての役割を果たしているのです。
 
また、それぞれのドアは非常時の脱出口としても大切な役割をもっています。今回のチャイナエアライン機の炎上事故のニュースでは、キャスターや解説者が「90秒ルール」という言葉を口にしていました。アクシデント発生時には、全乗客の脱出を90秒以内に完了できなければいけないという安全に関する決まりがエアライン業界にはあり、どの機種にもそのために必要な数のドアがきちんと配置されているのです。


≫≫≫ 次のページは「開かないと思っていたコクピットの窓が開いた!」
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます