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中華航空機炎上でわかった旅客機のヒミツ(2ページ目)

那覇空港で起きたチャイナエアラインの炎上事故──びっくりしましたね。ところで、乗客乗員の間一髪の脱出劇をテレビのニュースを見ていて、旅客機の構造や仕組みについていくつか分かったことがありました。

執筆者:秋本 俊二

事故のニュースが教えてくれたこと──その1
ジェット燃料のタンクは主翼の中にある


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ふだん何気なく見ている主翼の中にジェット燃料が搭載されている
那覇空港にチャイナエアラインのボーイング737-800が到着後、地上の整備士が右主翼から燃料が漏れているのを発見──そのニュースの第1報を聞いて、旅客機の燃料タンクが主翼の中にあるということを初めて知った人も多かったようです。

最新の機種では水平尾翼内にもタンクを設置している例がありますが、やはりメインとなる燃料タンクは主翼の中。そこにドラム缶に換算して何百本というジェット燃料(ケロシン)が搭載されます。主翼に燃料タンクを設置しているのには理由があるのですが、みなさんはご存じですか?

主翼に燃料タンクを設置しているのは、じつは主翼のつけ根にかかる力(曲げモーメント)が大きくなり過ぎないようにするためです。

飛行中の旅客機は、主翼と胴体にそれぞれ反対方向の力が働いています。揚力をつくり出す主翼には上向きの、重量に引っ張られる胴体には下向きの力が。そのため、主翼のつけ根の部分にはとても大きな負荷がかかっているのです。その負荷を和らげて、主翼が上向きに反り返って胴体からポキッと折れないようにするためには、主翼に「錘(おもり)」のようなものを入れなければなりません。大量の燃料を積んだタンクが、じつはその錘の代わりになっています。うまく考えられていますね。


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