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ANA──国際線就航20年の歴史(上)(3ページ目)

10月29日、ANAの成田/シカゴ線が就航します。これにより、同社のアメリカネットワークがますます充実! 世界の空に向かって大きく翼を広げ始めたANAの、国際線就航20年の歴史を振り返ります。

執筆者:秋本 俊二

他社サービスを研究しながら
ANA独自の路線を模索


CA
05年5月には15年ぶりに客室乗務員や地上係員の制服をリニューアル。
国際線ビジネスについてはライバル会社を追う立場でしたが、一方で、他社サービスを研究しながら独自路線を模索するなど「後発」のメリットも生かすことができました。その点は多少優位なポジションにあったかもしれない──と藤村氏も言います。

「国際線のビジネスクラスは当時、横に7~8席あるのが普通でしたが、ANAは“2─2─2”の横6席のシート導入に挑戦したこともあります。お客さまの評判はよかったですよ。ただし、そうすると1機あたりの座席数は減り、売上に影響が出てきてしまう。それも試行錯誤の一つでした。どの部分は他社にキャッチアップし、どの部分は業界に先駆けて新しいものを取り入れ、差別化をはかっていくか。さまざまなチャレンジと研究を繰り返しながら選別・色づけを進め、ANAならではのサービスを追求しました」

国際線就航5周年を迎えた1991年3月、ANAは747‐400の導入や東京/ニューヨーク線開設などを機に、従来の「Jクラス(スーパーエグゼクティブクラス)」を「Cクラス」に変えて呼称を「CLUB ANA」に変更。サービスも一新しました。トリトンブルーの色調をあしらった三つ葉のクローバーを新しいシンボルマークとして採用したのもこの時期です。その後、2002年には“2─1─2”の横5列の座席配列が特徴のアジア路線のCクラス「CLUB ANA Asia」が登場。主に中国線に投入される767‐300ERに導入したこの画期的サービスは当時、「他社ではとうていマネできないもの」と業界内でも話題になりました。

集合機体
着々と路線網を拡大したANAの国際線ネットワーク戦略。
ビジネスとしてはなかなか黒字化は達成できなかったものの、ANAは多くの利用者たちの期待に応える形で国際定期便の路線・サービスの拡充を続けました。欧州線では、1989年7月に初の自社運航便による東京/ロンドン線を、翌1990年10月には東京/パリ線を開設。同年11月には客室乗務員、パイロット、地上職員の制服を一新しました。国際線マイレージサービス「プログラムA」がスタートしたのは、その3年後の1993年11月です。

1994年9月には関西国際空港が開港し、その後も1996年6月のファーストクラスへのフルフラットシート導入、同8月の国際線用777へのマルチメディアサービスの導入など、ANAの「攻め」の経営は続きます。そして1999年10月、ANAは国際線就航20年の歴史の中で最も大きな転機を迎えることになるのです。

この続きは次回、改めて詳しく報告しましょう。

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【関連リンク】
ANA公式サイト
ANA/「CLUB ANA」のページ
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