ことし1月に改正航空法が施行され、日本国籍の航空機内での携帯電話使用が「禁止命令の対象となる行為」として明確に定められました。機長が止めるよう命令してもその行為を続けた場合に、50万円以下の罰金が科せられます(ガイド記事「機内迷惑行為に罰金50万円!」参照)。
どうして携帯電話の使用は禁止なのか? 携帯電話は改正航空法で定められた「離着陸時のみ作動させてはならない電子機器」と「常時作動させてはならない電子機器」のうち、後者に分類されます。「航空機のフライトシステムに悪影響を及ぼす」というのが使用禁止の理由で、たとえば03年8月にブラジルのアルカンタラ宇宙基地で起きたロケット爆発事故では「携帯電話などのモバイル機器の電磁波がエンジンの誤動作を誘発した」と地元紙が報じました。
それに対して、インターネット接続サービスに利用される無線LANは「離着陸時にのみ作動させてはならない電子機器」に分類されます。ボーイング社は約3年間にわたり地上と空中で実験・研究を重ね「搭載機器に悪影響を与えないことが立証できた」と発表。02年5月には米連邦航空局(FAA)が「コネクション・バイ・ボーイング」のシステムに、この種のサービスでは初めて認可を与えました。
その後、ドイツのルフトハンザ航空がフランクフルト-米国便で機内インターネット接続サービスの試験導入に着手。同エアラインはことし6月に成田―ミュンヘン線に、そしてJALでも12月から欧州線(ロンドン線)の全クラスに導入すると発表しました。利用料金は6時間以上のフライトの場合で30ドル程度になる見込みで、マイレージポイントでのサービス利用も検討中だとか。
旅慣れた人にとっては退屈だった空の旅に、これからは“雲の上でのネットサーフィン”という新しい楽しみが広がりそうですね。
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