例外なく自分の生活に適した羽を備えている
たとえばツルは、あの大きな体で遠距離をわたるのに相応しい羽を生まれながらにして身にまとっています。白鳥も同じで、重い体を離水させるには大きめの羽が不可欠なのでしょう。高速で飛ぶツバメは薄くて細長い羽が特徴だし、近距離を飄々と飛ぶスズメの短い羽は何とも愛らしい。どの鳥も例外なく、自分の生活に適した羽を備えています。そんな鳥たちの姿に空を飛ぶことを夢見てきた先人たちが注目したのも、ある意味では当然といえるかも知れません。
ことし──2003年は、ライト兄弟が世界初の動力飛行を成功させてちょうど100年。タカの飛翔から貴重なヒントを得たライト兄弟ばかりでなく、そのはるか昔から、航空機開発のパイオニアたちはみんな鳥に憧れ、鳥に学んできました。人類の飛行の歴史は、まさに鳥に学ぶ歴史だったのです。
そこで今回と次回にわけて、航空界の先駆者たちと鳥との関係・歴史をひもといてみましょう。パート1の今回は、レオナルド・ダ・ビンチとジョージ・ケイリーです。