「e-タグ」には、持ち主の情報のほか、搭乗予定便の情報なども記録。空港に届けられた荷物はそのまま自動的に仕分けされ、搭乗予定便に積み込まれます。利用者は空港到着後も荷物に触れることなく、手ぶらでチェックインや出国手続きが可能で、また飛行機が出発する前には持ち主が実際に搭乗したかどうかも航空会社からの情報と照合して自動的に確認されます。自宅で預けた荷物は、目的地に到着したときに、その空港のターンテーブルで受け取ればいい。──なるほど、ずいぶん便利になりますね。
このシステムが実現すれば、誤って別の便に荷物を積み込むといった紛失事故もなくなるでしょう。テロやハイジャック防止といったセキュリティ面の向上にもつながります。
次世代空港システム技術研究組合では今後、e-タグの研究や高精度の読み・書き機器、システム運用技術などの開発に着手。2003年12月からは約半年間、成田空港第2旅客ターミナルを舞台にサンフランシスコ、香港、ホノルルなど世界6空港とネットワークを組み、JALやANAの便をモデルに“手ぶら旅行”の試行運用を実施します。
成田空港ではこれまでにも、最新のIT(情報技術)を駆使して空港利用者の利便性を図るさまざまな取り組みを進めてきました。以前の〈記事・コラム〉でも報告しましたが、2003年1月~3月には目の虹彩などで個人を識別するバイオメトリクスを使った「e-チェックイン」の実験も行っています。また興味のある人は、同空港ホームページにある「e-エアポート構想」を覗いてみてください。イラストや図形をふんだんに使った画面構成はとても分かりやすく、未来の空港の姿を垣間見ることができます。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。