ハンドメイド・手芸/ハンドメイドの実例

パッチワーク界の永遠のアイドル サンボンネット・スー誕生の秘密(2ページ目)

パッチワーク界の人気もの、サンボンネット・スーはいつごろどうやって生まれたのでしょうか? スーの誕生の秘密をご紹介します。

執筆者:佐々木 純子

<愛されたスー>
サンボンネット・スーの生い立ちはだいたいお分かりでしょうか? 残念ながら、現存するアンティークキルトの中には、1910年代のものは残っていません。初期のスーの姿を見てみたいものですが、残っているのは1930年代から。これは、スーのキルトが主に子供のために作られたことと関係しているようです。お母さんが娘の健やかな成長を願うために作り上げたスーのキルトは、子供のベッドカバーやおくるみとして使われました。ボロボロになるまで愛されたために後世に残らなかったのです。キルトの世界でこれほどまでに愛されたパターンはないのではないでしょうか?

<現代のスーたち>
日本ではスーのアップリケは、女の子の通園バッグや、クッションなどに使われます。クッションなどは子供のためというよりは、むしろお母さんご本人の趣味かもしれません。ワンピース姿で自然の中を駆け回るスーに、自分の小さなころの思い出を重ね合わせてしまうのかもしれませんね。現代のスーは、日傘ではなく雨傘やレインコートを身に着けていたりします。お正月やお月見に参加しているスーも見かけます。各国各時代のスーが、キルトの中に息づいているのです。イギリスで生まれ、アメリカで流行したサンボンネット・スーが海を渡り、日本のお節句を楽しんでいると考えると、楽しくなってきますね。

パッチワークだけではなく、トールペイントやクロスステッチにもスーは登場します。ペンダントトップなどのキャラクターグッズも販売されています。
関連リンク>スーオリジナルペンダント
今や、パッチワークというよりもカントリークラフトを代表するキャラクターがサンボンネット・スーなのかもしれませんね。

参考文献

「サンボンネット・スー パターン70」
パッチワーク通信社発行
"20世紀初めのアメリカのアイドル、サンボンネット・スーの誕生"by 小野ふみえ
"キルトに登場したサンボンネット・スー" by 高野美也
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