日本の指ぬきと違って、西洋のシンブルは、指をすっぽり包むキャップ型です。これはキルティングのときに、短いキルト針の頭をシンブルで押しながら進めるためにこのような形になっています。実際に手芸に使用するシンブルは、銀やアルミなどの金属でできていて、飾りもほとんどありません。しかし、お土産用のシンブルは、手にとって楽しんだり、飾ったり、お守り代わりにしたり、大切な人にプレゼントしたりと、主に見て楽しむためのもの。そのためにさまざまなデザインが施されています。
観光地のお土産ものとしても有名なシンブルは、その地の面影を写したデザインが多いです。たとえばフランスに旅をしたときには、ヴェルサイユ宮殿にはフランス王国の紋章が入ったシンブルが売られていましたし、古城で有名なロワールでは、シュノンソー城ゆかりの貴族の紋章が入ったシンブルを見かけました。
観光客向けのお土産というだけではなく、美術品としても素晴らしいシンブルもたくさん作られています。たとえばドイツでは、あのマイセンが、イギリスではウエッジウッドなど、一流どころが美しいデザインをたくさん生み出していて、シンブルコレクターの憧れの一品となっています。ここで紹介した素晴らしいシンブルたちは、シンブルコレクターとして著名な菅野和代さんのWEBサイトからお借りしました。それから、シンブルのいわれについての説明は、Quilt Info Box のコレクション シンブル のページを参考にしました。おまけですが、菅野さんはネット通販でシンブルを取り扱っていて、オリジナルの江戸切り子のシンブルは必見です。その菅野さんのシンブルについての新連載が、3月22日発売のパッチワーク倶楽部(パッチワーク通信社刊)よりスタートする予定だそうです。そちらもお楽しみに。
シンブルコレクションが見られるサイト
シンブルワールド
Quilt Info Box
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。