情報処理技術者試験については、今まで初級シスアドや基本情報処理技術者など個々の試験については解説をしてきましたが、試験の全体像について知りたいという方もおられると思いますので、今回は情報処理技術者試験とはどのような試験なのかの全体像をご説明します。

システム開発者のための試験

itkeiei
情報処理技術者試験で、スキルアップしよう!
例えば、自動車でも作る側(トヨタなどの自動車メーカー)と使う側(自動車を運転する人)があります。自動車を作るためには様々技術者や知識が必要です。それと同じように、会社が使う業務システム(販売管理システムや生産管理システムなど企業の業務をコンピュータ化したもの)も、作る側と使う側があります。通常、このようなシステムはシステム開発会社が作り(開発)します。情報処理技術者試験は、このようにシステムを作る側の人材のための試験と言えます(ただし、システムアドミニストレータは使う側の試験です)。また、システムを作るためには手順があります。自動車でもどのような自動車が売れるのか(ユーザーの要望を聞いて企画する)を調べ、そして設計して、製造することになります。同じように情報システムでも、企業がどのようなシステムが欲しいのかを分析し、そして設計し、製造します。そして、それらはSE(システムエンジニア)やPG(プログラマ)という職種の人が対応します。情報処理技術者試験は、このように情報システムを作る(開発)するために必要な人材を育成するための資格だと言ってもいいでしょう。

職種ごとに試験がある

情報システムを作るためには、次のようなステップやスキルが必要です。そして、情報処理技術者試験には、このようなステップや能力ごとに試験区分が用意されています。

■どのようなシステムを作ればいいか
情報システムを作る場合、企業にあったものを作る必要があります。その為には、企業の戦略や方針を理解し、それらを支援するためのシステムを作る必要があります。例えば、ある会社が営業拠点を全国に作り販売網を広げると言う戦略を作ったとします。それをシステムで支援するためには、ネットワークを活用し各拠点で情報を共有したり、各拠点の売上を素早く集計して本社で管理することができるシステムを作る必要があります。情報処理技術者試験では、このようにどのようなシステムを作ればいいかを検討する人材のために、「システムアナリスト」という試験区分があります。

システムアナリスト試験の概要

■どのように設計すればいいか
システムの方向性がまとまれば、次に実際にシステム設計を行います。ここでは、データベースの構造や画面構成、帳票設計などを行います。これらの作業はSEが担当します。情報処理技術者試験では、システム設計を行うための人材のために「アプリケーションエンジニア」という試験区分があります。

アプリケーションエンジニア試験の概要


■どのように作ればいいか
設計ができれば次に実際にプログラムを作ります。これは、プログラマの仕事になります。情報処理技術者試験では、プログラムを作る人材のために「ソフトウェア開発技術者」、「基本情報処理技術者」という試験区分があります。

ソフトウェア開発技術者の概要
基本情報処理技術者の概要

■作るために必要な固有技術
情報システムはプログラムだけでなく、ネットワークやデータベースを活用します。これらはそれぞれ高度な技術が必要です。また、重要な情報を守るための情報セキュリティも確保しなければなりません。そのため、情報処理技術者試験では、テクニカルエンジニアという試験区分を設け、この中でネットワークやデータベース、情報セキュリティなどの固有技術の試験を行っています。

テクニカルエンジニア(ネットワークの概要)
テクニカルエンジニア(データベースの概要)
テクニカルエンジニア(システム管理の概要)
テクニカルエンジニア(エンベディッドシステムの概要)
テクニカルエンジニア(情報セキュリティの概要)

■どのような管理をすればいいか
情報システムは多くのSEやプログラマが関与します。大きなシステムになると何十人というエンジニアが開発に参加します。このように多くの人が関与するプロジェクトでは、人の管理、お金の管理、品質や納期の管理が重要になります。このようにプロジェクトを管理する人を、プロジェクトマネージャと言いい、情報処理技術者試験でも試験を実施しています。

プロジェクトマネージャの概要

このように情報処理技術者試験では、システムを作るために必要な能力ごとに試験区分があるのです。尚、システム開発の経験がない方がいきなり、プロジェクトマネージャやシステムアナリストを取得しようとしても、難しいでしょう(受験はできますが)。これからシステム開発の仕事を行おうという方は、まずは基本情報処理技術者やソフトウェア開発技術者から挑戦し、徐々にステップアップされてはいかがでしょうか。


<関連リンク>
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情報処理資格 ソフトウェアエンジニア
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