2001年に誕生したITコーディネータ(以下ITC)も今年で6000人を超えました。ITCを活用した成功事例も多く出ています。また、ITCとして独立する人も増え、ITCを活用する公的支援策も実施されています。今回は、これからITCになり独立しようという方のために、ITCの活動実態をご紹介します。
ITCの年収は?私もITCですがよく、「独立系ITCの年収はどれくらいですか?」と聞かれます。これは、人によって様々です。実力のあるITCでは1000万円以上稼ぐ人も多くいます。
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ITCで1000万円稼ごう! |
ITCで年収を上げるためには、大きなシステム導入に関わるコーディネートをすることが必要でしょう。また、中小規模のシステム導入を伴うコーディネートでも、回数が増えれば年収があがります。尚、独立しているITCの中には、税理士や中小企業診断士など他の資格との相乗効果で仕事をしている人も多くいます。例えば、ITCとして経営戦略を策定した後、税理士のスキルを活かして、中期経営計画(収支計画など)を作り実行を指導する。また、中小企業診断士のスキルを活かして、戦略に基づく戦術(工場の現場改善など)を指導するケースがあります。このように、ITCだけでなく相乗効果のある資格と併せることにより、仕事を多く受注することができます。
"target="_blank">ITコーディネータを目指す方へ
ITコーディネータへの道ITCの単価は?それでは、ITCの仕事の単価はいくらくらいでしょうか?これも、人により様々です。また、企業と直接契約するケースの他に公的支援策を使って支援することもあります。次に、一般的なITCの単価についてご紹介します。
■公的支援策を使う場合
・都道府県の専門家派遣制度
各都道府県には中小企業支援センターがあります。例えば、京都府の場合は「財団法人京都産業21」で、滋賀県の場合は「財団法人滋賀県産業支援プラザ」です。このような中小企業支援センターでは、ITCの他に税理士、中小企業診断士、社労士、技術士、弁理士などの専門家を登録しておき、中小企業の要請に応じて専門家を派遣します。派遣費用の1/3が企業負担で、2/3は公的支援です。1回あたりの派遣謝金(ITCが貰える額)は、地域によって違いますが、概ね1回の派遣(2時間~3時間)で25,000円~30,000円程度です。詳細は地元の支援センターにご確認ください。
中小企業支援センター一覧
・IT経営応援隊事業
近畿経済産業省が中心となり全国的に展開する事業に、IT経営応援隊事業があります。これは、中小企業の経営者向けの研修会や、IT活用事例発表会、ITCの企業派遣などを行なうものです。今年も全国で実施される予定です。全国の中小企業支援センターやITコーディネータ協会に登録しているITC組織などが中心になって実施ますので、地域のITC組織などにご確認ください。
ITコーディネータ活用施策
ITC届出組織一覧
■企業と直接契約する場合
公的支援策を使わずに企業と直接契約するケースも多くあります。この場合、プロジェクトの規模(期間、ITCの関与度など)により違いますが、小さいプロジェクトで100万円程度、大きなものになると1000万円を超えるプロジェクトもあります。契約形態には次のものがあります。
・着手金と実績金
プロジェクトの期間が比較的短い場合(概ね6ヶ月未満)、着手金として全体の30%程度をもらい、残りはプロジェクト終了後に貰う形態です。比較的よく使われる契約形態です。
・一括請求
プロジェクトの期間が短い(3ヶ月以内)場合は、プロジェクトの終了時に請求する契約形態です。
・期間分割
プロジェクトの期間が1年を超える長いものに関しては、全体の費用をプロジェクト期間で分割して月額で請求する契約形態があります。全体の費用が600万円で、12ヶ月のプロジェクトなら、月額50万円の契約になります。
・顧問契約
プロジェクトが終わった後も継続的に支援する場合、顧問契約をするケースがあります。これは月額契約の場合が多く、ITCの関与度(指導時間)により違いますが月額5万~20万程度が多いようです。
それでは、ITCはどのように営業しているのでしょう。
次ページで営業方法をご紹介します。