今回は、『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版 (impress mook)福地健 (監修)、酒井富士子(編集)』(インプレス)より、年金生活者が知っておきたい「211万円の壁」についてご紹介します。
65歳以上の年金生活者夫婦「211万円の壁」とは?
年金収入によって、税金を払わなくてよかったり、社会保険料も割安になったりする境界線があります。それが「211万円の壁」と呼ばれるものです。パートで働く主婦などの「130万円の壁」などといわれる、年収の壁と類似したものといえます。
65歳以上の年金生活者の「211万円の壁」とは、年金のみで生活している夫婦の世帯が、「住民税非課税世帯」に該当するかどうかの境界線になる収入額のことを指します(2026年8月現在)。住んでいる地域、夫婦・単身によって変わりますが、大都市の夫婦世帯の場合、世帯主の年金収入が211万円以下で、住民税非課税世帯に該当します。
なお、厚生労働省のモデル年金額では、厚生年金と国民年金を合計した平均年金額は約200万円です。65歳以上の世帯のうち39%が住民税非課税世帯だと推計されるため(厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」より)、211万円の壁は決して高い壁ではないといえそうです。

年金収入211万円と212万円の1万円の差で、世帯の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は年間約7万円も変わります。211万円であれば、住民税と所得税がゼロになるのはもちろん、介護保険の保険料も安くなります。
また、医療費が多額にかかった場合に、一定の自己負担額で済む「高額療養費制度」がありますが、住民税非課税世帯では自己負担額が下がります。わずかな差で住民税非課税世帯に該当するのであれば、年金繰上げ受給なども検討していいでしょう。
「壁」の金額は居住の地域により異なる
年金生活者が住民税非課税世帯に該当するかどうかの上限額は、住んでいる地域の「級地区分」により異なります。1級地から3級地までの区分があり、東京都23区などが1級地、地方が2級地・3級地です。211万円の壁とは1級地の場合の金額、他の地域に住んでいれば壁の金額は低くなります。また、単身か夫婦世帯かなどでも異なってきます。自分の「壁」がいくらなのかは確認が必要です。









