長野の観光・旅行/長野の温泉

信州秋山郷の秘湯「のよさの里」に泊まる

のよさの里・牧之の宿は信州秋山郷(長野県栄村)の秘湯上野原温泉にある。信州百名山苗場山の宿で、豪雪でも年中無休!温泉は源泉の湯。夕食は豊かな自然の幸を使った郷土料理「お庚申料理」がある素敵な宿だ

執筆者:森 俊二

信州秋山郷(長野県栄村)は素敵な所だ。
そこには、四季折々の美しい自然があり、 古い様々な生活様式などを伝える民族・文化がある。
またその集落毎に秘湯と呼ばれるに相応しい源泉の温泉宿・日帰り温泉が ある。

秋山郷の宿には何度か行った事はあるのだが、 信州秋山郷の紅葉はもう終わってしまったが、 訪れる度に何かしら新しい発見がある。
今回は、そんな素敵な宿、”名山(日本百名山)の山麓にある、 信州百名山の宿「のよさの里 牧之の宿」”を紹介しよう。
  • 秋山郷の秘湯「のよさの里 牧之の宿」に泊まる ・・・・・・・1page
  • のよさの里の「のよさ」の名は、古謡・のよさ節に由来
    昔の秋山郷の暮らしと独特の文化を再現 ・・・・・・・・・・1page
  • 宿は秋山郷を紹介した鈴木牧之に因む ・・・・・・・・・・・1page
  • 本家と渡り廊下で繋がる7軒の分家で構成 ・・・・・・・・・1page
  • 秘湯!上野原温泉の露天風呂内湯に浸かる ・・・・・・・・2page
  • 食事処郷土料理・お庚申様料理を頂く ・・・・・・・・・・3page 翌日はのんびり!ゆったり!10時発 ・・・・・・・・・・・・4page
  • 旅発ち前にオカリナコンサート ・・・・・・・・・・・・・・4page
  • 秋山郷の秘湯「のよさの里 牧之の宿」に泊まる

    のよさの里の本家は牧之の館
    正面は、左端に本家。渡り廊下の右端は、脱衣所と露天風呂がある
    信州いざない会(注記)の今年は「秋山郷に紅葉狩り」を楽しみたいと、 信州秋山郷上野原にある「のよさの里 牧之の宿」を予約したのは8月中旬。 宿泊したのは10月15日だった。
    信州秋山郷の紅葉は例年だと10月下旬なので、 その時期に行きたいと思ったのだが、 20日以降は満室だというので、1週間前にしたからだ。

    宿には午後4時に到着しゆっくりしたいと思っていたのに、チェックインする時刻は、実際は1時間遅れで、もう暗くなっていた。
    玄関を入るとそこは土間になっていて、 左手にはフロント。板敷きの売店があり、 着いた早々、この宿の宿泊システムの説明があった。
    ここは本家と別に分家で構成されていて、 お食事と内湯は本家、休憩や団欒・宿泊は分家と役割が分かれているのだそうだ。 初めての客は特に夜は分かりづらいからといって案内して頂いた。 当日は日曜日だったが、我々の組(運転手を含め28名)の他に二組の客が泊まっていて満室だった。

    のよさの里の名称は地元の古謡・のよさ節に由来

    のよさの里は、信州秋山郷(長野県栄村)の上野原の広大な台地に 約20年前「のよさの里 牧之の宿」が建てられた。 昔の秋山郷の暮らしと独特の文化を再現した村営の宿泊施設(栄村振興会が運営)である。
    秋山郷も往事の暮らしを体験出来るように、宿を中心にして、 その近辺に、 雑穀を挽くためのバッタリ小屋、 炭焼き小屋があり、 オートキャンプ場、 遊歩道なども整備されている。

    古謡・のよさ節

    のよさの里の名称は、昔から歌い継がれてきた秋山郷の民謡「のよさ節」に由来する。以前和山温泉の秘湯の宿「仁成館」のご主人夫妻に歌って頂いた事があるのだが、一番目の歌詞は
    おらうちの衆は おらうちの衆は
    嫁をとること ノヨサ 忘れたか
     忘れたか 忘れたか
    嫁をとること ノヨサ 忘れたか
    だが、 秋の実りを見て、嫁をとることを考えるほど生活の厳しさを表現していて、哀調きわまりない民謡である。秋山郷では、お盆・お祭りのほかお祝い事に必ず老若男女によって歌い踊られるという。

    宿の名は秋山郷を紹介した鈴木牧之に因む

    江戸時代、秋山郷を紹介した「鈴木牧之」の木造が、玄関に置いてある
    鈴木牧之は、江戸時代の末期に信州秋山郷を訪れ、 【北国雪譜】によって初めて秋山郷を世に紹介した江戸時代の文人の名前。 宿の名はその鈴木牧之に因んで付けられた。
    玄関を入ると、 鈴木牧之の木像が置いてあり、壁に北国雪譜の一部の古地図が貼ってあった。 当時ベストセラーだったという、和綴じの古書も展示されていた。

    鈴木牧之が訪ねた時の秋山郷は、天明の大飢饉などで全滅した村もあり 秋山郷も既に越後秋山と信州秋山に分かれていたらしい。
    宿泊させて貰った信濃秋山の民家は、 大阪府豊中市の服部緑地公園の一角にある日本民家集落博物館に移築され 国指定重要文化財となっているが、 家の中は床張りはせず、地面にムシロを敷いただけの土間住まいで、夜は藁布団をかけただけだったそうだ。

    宿は、本家と渡り廊下で繋がる7軒の分家で構成

    のよさ里の建物は、正面から見ると、右手が茅葺きの家(本家)、屋根付きの渡り廊下で露天風呂へ繋がっているのは見てとれるが、 一見しただけでは、奥に7軒の離れ(分家)があるのは分からない。

    分家へ行くにも、緩やかな上りの渡り廊下が400mもあって、 各々独立しているし廊下も右折左折しているので、我々のようにはじめての客は、迷ってしまう。事実露天風呂に入り一人で帰った時は、また宿の方に連れていって頂いた始末だった。

    我々男子(7名)が割り当てられた分家は、「新左衛門」という名で、奥から 二番目にあった。 分家には、囲炉裏と炬燵、奥は寝室として使う二つの和室があり、 分家の収容人数は7名で、我々の様にグループで泊まるには好都合だったが、空いていれば一人客でも泊まれるようだった。

    渡り廊下は豪雪でも耐えられる屋根付・吹き抜けの頑丈な造り。 この宿は、年中無休!毎年冬も泊まる常連客がいて、冬は雪囲いをするので、大雪が降っても大丈夫らしい。



    分家へ行く渡り屋根のついた廊下
    冬は雪囲いをするので年中泊まれる


    分家:それぞれ独立していて、中
    は囲炉裏・冬は炬燵が、隣の二つ
    の室がある。お手洗い付き


    ・制作:06/10/31・更新:06/11/07
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