Q. 「死亡率が高くなる睡眠時間がある」って本当ですか?

Q. 「『死亡率が高くなる睡眠時間がある』と聞きました。何時間寝ると危険なのでしょうか? 睡眠時間が短過ぎると体に悪いということは分かるのですが、長く寝ても死亡率が上がるとしたら、いったい何時間眠ればいいのか分かりません」
A. 本当です。睡眠時間は短過ぎても長過ぎても死亡率が上がります
「たっぷり眠るほど体によい」と思っていませんか? 実は、睡眠不足と同様、眠り過ぎも寿命にかかわることが大規模な研究によって示されています。1980年代にアメリカで行われた100万人以上を対象にした調査では、1日6.5~7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低く、それより短くても長くても寿命が短くなる傾向が確認されました。特に注目すべきは、7.5~8.5時間以上眠っている人は6.5~7.5時間の人と比べて死亡率が20%も高かったという点です。
日本でも同様の結果が報告されています。名古屋大学の研究では、40~79歳の男女約10万人を10年間にわたって追跡調査したところ、男女ともに7時間睡眠の人たちの死亡率が最も低く、それより短い人も長い人も死亡率が高くなる傾向が示されました。また、複数の研究によって、特に10時間以上の睡眠の人は、死亡リスクが高いとされています。
なぜ長く眠ると死亡率が上がるのかの原因は、まだはっきりしていません。しかし、長時間睡眠の人は、そもそも何らかの健康上の問題を抱えていた可能性が指摘されています。眠り過ぎたことが原因で亡くなってしまったのではなく、体に何かしらの問題があったために睡眠時間が長くなっていたとも考えられます。また、深い睡眠は寝ついてから早い時間帯に集中して現れるため、だらだらと長く眠り続けても質のよい睡眠にはなりません。浅い眠りが長く続くと、目覚めた後も覚醒度が上がらず、日中の眠気や体のだるさの原因にもなります。
「死亡率が低いのは7時間」というのも、あくまで統計上の平均です。全ての人に当てはまるわけではありません。厚生労働省は成人の場合、6~8時間の睡眠を推奨しています。また、10代なら8~10時間、70代なら6時間で十分な場合が多いとされています。自分に合った睡眠時間を知るには、寝つきと目覚めがよく、日中も活動的に過ごせた日の睡眠時間を何回か記録してみることが有効です。以下のポイントも心掛けてみましょう。
- 寝室の室温は16~28℃、湿度は50~60%に整える
- 部屋をなるべく暗くして眠る環境を整える
- 布団に入ったら翌朝の起床時刻を強く意識する(自己覚醒法)
- 休日でも平日の起床時刻の2時間以内には起きる
- 目覚めたらすぐ部屋を明るくし、太陽の光を浴びて体内時計をリセットする
- 日中に眠気が強い場合は、午後3時までに10~30分の仮眠をとる
大切なのは「何時間眠ったか」だけでなく、「どれだけ質よく眠れたか」です。自分にとって必要十分な時間だけ質のよい眠りをとることが、健康長寿への近道です。
さらに詳しく知りたい方は、「睡眠時間と寿命の意外な関係……「短時間睡眠」も「寝過ぎ」も健康リスクを上げ、短命に?」をあわせてご覧ください。







