※老齢基礎年金の額も含む。
<参考>厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
同じ年金額でも、ゆとりある暮らしを送る人と、一生貧乏のままお金の不安に追われる人。その差はどこにあるのでしょうか。
今回は、“年金だけでは不安”という思いを少し軽くするための、「お金との付き合い方」を考えてみましょう。
年金に不安を感じる人が陥りやすい「一生貧乏な人の思考」って?
年金額を見て、「足りない」と焦るのは自然なことかもしれません。しかし、その焦りが、思わぬムダ遣いを生むこともあります。例えば、不安を埋めるために買い物でストレスを発散したり、安心を求めて高い保険に入り過ぎたり。お金の不安が、知らないうちにお金を減らす原因になっていることもあります。
一方、同じ金額でも豊かに暮らす人は、「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向けています。
例えば、「今のところ健康を維持できている」「信頼できる友人がいる」「好きな趣味を続けられている」「毎月2万~3万円稼げば今の暮らしを維持できる」など。
“足りない”に終始せず、現状の生活のなかの幸せを見つけることが上手です。その結果、安心感が生まれ、ムダな消費欲も自然と減っていくのです。
豊かに暮らす人が実践している「年金生活3つの習慣」
豊かに暮らす人には、無理をせず安定した生活を続けるための共通点があります。ここでは、年金生活を心地よくする3つの習慣を紹介します。①必要なものを「選んで」買う
年金生活では、使えるお金に限りがあります。だからこそ、買う前に「本当に必要?」「他で代用できない?」と考える習慣が大切です。
「安いから」「つい欲しくて」「流行りだから」という買い方をやめると、ムダな出費が自然と減ります。また、お気に入りのものだけに囲まれると、満足感が高まり、“見栄や流行に流されない生き方”が実現します。
②ものを「最後まで」使い切る
新しいものをどんどん買うのではなく、手持ちのものを工夫して使うことが節約の基本です。洋服をリメイクしたり、食品をムダなく使い切ったりすることで、「もったいない」という意識が自然に身につきます。その結果、買い過ぎや在庫の重複が減り、支出を抑えられます。さらに、“ものを大切に扱う自分”への満足感が増すでしょう。
③スッキリ暮らして「余裕」を生む
ものが多いと、掃除や整理に時間がかかり、知らないうちにストレスが蓄積します。年金生活では、時間と体力を「管理」ではなく「楽しむこと」に使いたいものです。
実際、不要なものを手放すことで、掃除や管理の手間が減り、空間が広く感じられるようになります。探し物の時間が減り、家族や友人との会話、趣味などに充てられる時間が増えます。心と時間の両方にゆとりが生まれ、お金に振り回されない暮らしが実現します。
豊かに暮らす人の「働く」は「お金のため」だけではない
豊かに暮らす人は、「選ぶ」「使い切る」「減らす」という3つの習慣を身につけたうえで、“働くこと”の意味を見直しています。彼らにとって働くとは、「お金を稼ぐ手段」だけでなく、「生きがい」や「社会とのつながり」を保つための大切な活動です。
例えば、週2~3日のパートや自宅でできる在宅ワーク、得意を生かした副業など、無理のない働き方を選びます。「やらされる仕事」ではなく、「やりたい仕事」に取り組むことで、心が満たされ、日々の張り合いになります。
また、地域活動やボランティアなど、お金を目的としない働き方も、心の充実につながります。人と関わり、感謝される経験は、年齢を重ねても若々しさを保つ秘訣(ひけつ)です。
一方、「一生貧乏思考」の人は、「年金だけでは足りない」と焦り、常に“お金のためだけ”に働こうとします。
そうなると、心のゆとりが失われ、笑顔や楽しみのない「消耗するだけの毎日」に陥ってしまうのです。
多くを求めず、ちょうどよく生きる
年金生活を迎える前に、“お金との付き合い方”を見直し、自分にとって本当に必要なものを見極めることが大切です。働き過ぎず、ムダを減らし、好きなことや人との時間を大切にする。
そうした“ちょうどいい暮らし”を意識できる人ほど、年金生活を穏やかに、そして豊かに楽しむことができるでしょう。








