
ありがちなNGナイトルーティン
特に40~50代になると、基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化により、20~30代と同じ生活をしていても体重が増えやすくなります。さらに、仕事や家庭の忙しさから「夜はつい楽な習慣に流れてしまう」という人も少なくありません。
今回は、「ありがちなNGナイトルーティン」とその改善方法を管理栄養士の視点から解説します。
夜の過ごし方が太りやすさに直結する理由
夜は、人間の体内時計のリズムから見ても「活動から休息へ切り替わる時間帯」。代謝も日中より落ちるため、同じ量を食べても夜の方が脂肪として蓄積されやすいのです。また、睡眠不足や寝る直前の食事は、肥満ホルモンとも呼ばれる「グレリン」の分泌を増やし、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の働きを弱めるといわれています。つまり、夜の習慣が乱れると、翌日の食欲や代謝にまで悪影響が及ぶのです。
NGナイトルーティン1:夕食が遅過ぎる
21時以降に夕食を食べる習慣は、太りやすくなる代表的な原因です。夜はエネルギー消費が少なくなるため、とったカロリーが余りやすく脂肪に直結します。夜遅い食事は消化にも時間がかかり、胃もたれや翌朝のだるさを招きます。改善ポイント:
可能であれば19~20時までに夕食を済ませることがベストです。遅くなる場合は「軽めの主食+たんぱく質(おにぎり+豆腐、野菜スープ+ゆで卵など)」にして、翌朝しっかり朝食を食べましょう。「夕食はついガッツリ食べたくなる」という人は、帰宅前におにぎりやサンドイッチなどの主食を食べ、帰宅後の夕食では主食は食べずに野菜やきのこ類、海藻類を中心とした副菜や汁物を取り入れましょう。
NGナイトルーティン2:ダラダラ晩酌

知らず知らずのうちに高カロリーになり太る原因に
さらに、アルコールは代謝を助けるビタミンB群を消費するため、体脂肪を燃やしにくい体になります。寝る直前まで飲むと睡眠が浅くなり、翌日の疲れが抜けにくくなるのもデメリットです。
改善ポイント:
晩酌は週2~3回程度にとどめ、量はビール350mL缶1本、日本酒1合、ワイン2杯程度までと量を決めましょう。おつまみはサラダ・枝豆・冷奴・焼き魚・サラダチキンなど、タンパク質・野菜・きのこ類・海藻類中心にするといいでしょう。アルコールの合間に水を飲むことで、飲み過ぎ予防や代謝サポートにつながります。
NGナイトルーティン3:食後すぐにごろ寝
夕食後すぐにソファで横になる習慣は、非常に多いパターンです。食べた直後に体を動かさないと、消費されないエネルギーが脂肪に変わりやすくなります。さらに、胃に食べ物が残ったまま横になることで、胃酸の逆流や胸やけを引き起こすこともあります。改善ポイント:
食後30分は、立って片付けをしたり軽いストレッチをしたり、歯磨きをしたりするのがおすすめ。夜の散歩を取り入れるのも効果的です(15分程度で十分)。どうしても横になりたい場合は、上半身を少し起こして「完全に寝転ばない姿勢」をとるといいでしょう。
NGナイトルーティン4:夜のながら食べ

夜のながら食べも要注意
改善ポイント:
甘いものは夕方までに食べ、夜は控えるのがベストです。夜に小腹が空いてしまったら「ながら食べ」ではなくテーブルで座って食べるように意識し、ヨーグルト・ナッツ・カットフルーツなど200kcal以内で収めましょう。
管理栄養士がすすめる「太りにくい夜の過ごし方」
夜の習慣は「やってはいけないことを避ける」だけでなく、「体にいいことを積極的に取り入れる」ことも大切です。無理なく続けられる工夫を意識すると、自然と体重も安定してきます。1. 夜は「腹七分目」を心がける
夕食はおなかいっぱいになるまで食べるのではなく、少し余裕を残すのがコツ。特に40~50代は消化力も落ちやすく、食べ過ぎは翌日の疲労や胃もたれにつながります。「もう少し食べたい」と思うくらいで止めるのがベストです。
2. 温かい飲み物でリラックス

夜の水分補給は温かいものを
3. 入浴で消化を促進
夕食後1~2時間あけてから、ぬるめのお風呂に浸かると副交感神経が働き、体がリラックスモードに切り替わります。血流がよくなることで消化も促され、「食べ過ぎたかも」という日も翌朝に持ち越しにくくなります。
4. 軽いストレッチやヨガで体を緩める

ストレッチを行うと血糖値のコントロールに役立つ
5. デジタルデトックスで睡眠の質を高める
寝る直前までスマホを見続けると、ブルーライトの影響で体内時計が乱れ、食欲ホルモンのバランスも崩れます。ベッドに入る30分前には画面を手放し、本や音楽、軽いストレッチで心を落ち着ける習慣を持つといいでしょう。
40~50代は、体の代謝やホルモンの変化により「太りやすい体質」にシフトしやすい時期です。しかし、夜の過ごし方を少し工夫するだけで、その流れを大きく変えることができます。「ダイエット」というと食事制限を思い浮かべがちですが、実は夜のルーティンこそが太りにくい体を作るカギ。今日から1つでも取り入れて、翌朝のスッキリ感と健康的な体を実感してみてくださいね。