“結果を出すスクール”として人気の「マナースクールEMI SUNAI」代表・諏内えみさんの著書『我慢しない、侮らせないビジネスパーソンの処世術 戦略としてのずるいマナー』では、社会人になって最初に学ぶ基本的なマナーとは一味違うマナー術についてお伝えしています。
目指すのは、単に相手に合わせるのではなく、自分の利益も確保しつつ、相手に「感心される」ようなスマートな立ち居振る舞い。自分も快適に、相手にも喜ばれる、そんな一石二鳥の効果を狙った、まったく新しいアプローチこそが「ずるいマナー」なのです。
今回は本書から一部抜粋し、打ち合わせの後に予定がある場合に、相手に失礼なく、かつスムーズに退席時間を伝えるための具体的な「ずるいマナー」について紹介します。
打ち合わせの後に予定が入っている時、どうする?
打ち合わせが長引き、もう出なければならない時間に!それでも相手が話し続けていると、どうしても「あの、そろそろ……」とは言い出しにくいものです。
あとの予定が控えているときは、お会いしてからなるべく早い段階、できれば本題に入る前にその旨をお伝えするのが正解です。
もし、事前に伝えずに「あの、すみません、私もう出ないといけないので」と急に言い出されたとしたら、周りは内心「それ、もっと早く言ってよ……」と思うでしょう。あなたに対し「段取りが悪い人」というイメージをもってしまうのです。
それに、早めに予定を伝えてもらえるほうが、相手も時間配分を考えて進行できます。つまり、会議にムダがなくなるわけです。
実際、あとになればなるほど言い出しづらくなるものなので、ここは先手必勝で対応します。このとき、言葉選びにもポイントがあります。
つまり、「しか」や「ない」などのネガティブな表現を避けて、「15時まで時間がある」などのポジティブな言葉を選ぶのがコツです。【NG】
・本日は15時までに出なければならないのですが……。
・1時間しか時間がないため……。
【OK】
・本日は15時まで時間がございますので、ご意見を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
【NG】パターンの伝え方だと途中で抜けてしまうというイメージが先行しますが、【OK】パターンの場合なら「時間の許す限り対応したい」という意欲も示せるため、相手に前向きに受け取ってもらうことができます。
また、【NG】パターンに比べて「短い時間ですませてしまいたい」というニュアンスにならないのもポイントです。
この先手必勝法はオンラインミーティングや、長くなりがちな打ち合わせを早く切り上げさせたいときにも使えますので、ぜひ活用してください。
今回の「戦略」で得られる相手のメリットを確認!
諏内 えみ プロフィールたとえ会議の時間が短くなっても、最初に「時間」と「やる気」をセットで示してくれると不快感がない。
「マナースクールEMI SUNAI」「親子・お受験作法教室」代表。マナーを始め、立ち居ふるまい、会話術、社交術を伝授。キャンセル待ちの出る「テーブルマナー講座」や「婚活戦略講座」「『育ちがいい人®』のふるまい・会話レッスン」が好評。「親子・お受験作法教室」では、第一志望合格率95%を実現。多くの有名校でのトップ合格を達成している。映画・ドラマでの女優のエレガント所作、男優のスマート所作指導にも定評がある。ベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』 (ダイヤモンド社)他著書多数。All About 暮らしのマナーガイド。