フジ・ロックは自分を試す場でもある
フジ・ロック会場のエコステーション。ポップなイラストはボランティアの手によるものです。 |
確かにフジ・ロック自体、自主的に動かないと楽しめないイベントではありますね。
羽仁:
山の中だし、ステージが11個もあるけど順路があるわけでもないから、いろいろな過ごし方ができるし、考えないと動けないよね。
フェスティバルって音楽だけじゃなく、自分を試す場でもあるんですよね。いろいろなものを複合的に選びながら、自分なりにどう過ごすかを決めていくものだと思う。フジ・ロックはまさしくそういったフェスだし、そういう考え方と、ごみゼロナビゲーションがうまくはまって相乗効果をもたらしていきました。
ごみ袋を渡し、分別をナビゲートするのがボランティアの役割。 |
フジ・ロックはA SEED JAPANにとっても、大きな意味を持つフェスだといえますね。
羽仁:
98年からフジ・ロックに参加したことよって僕らの活動も変わっていきましたから、そういう意味ではターニングポイントとなっていますよね。94年に僕らが活動を始めた頃は、野外フェスの会場はごみが散乱して、芝生が見えないようなひどい状態でした。その中から資源物を拾ってリサイクルしていたのが活動の始まりで、それを4年やったのですが、本当に効果がありませんでした。
あまりにも効果がないし、何年やっても変わらない。これはやはり僕らのやり方に問題があるのではないかと思い始めていた頃にフジ・ロックに参加することになったのです。
それを機に資源とごみをボランティアが分けるという対症療法的な活動ではなく、お客さんに自ら分別してもらう今の参加型の活動になっていきました。僕らだけではなく主催者側もそれに賛同してくれ、お客さんを自立させつつ、ごみを減らし、環境問題を考えていこうという今のA SEED JAPANの活動の形ができました。そういう意味でも僕らはフジ・ロックに育ててもらったと思いますね。
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