労務管理

有休は何日前に申請するべき? 周りに迷惑をかけなくて済むのはいつまで?【社会保険労務士が解説】

会社で働く人の権利である「有休」ですが、そこにはさまざまな“モヤモヤ”が横たわっているようです。今回は、「有休の申請日」に関するお悩みについて、社会保険労務士の小西道代が回答します。

小西 道代

執筆者:小西 道代

労務管理ガイド

有休は何日前に申請するべき?

有休は何日前に申請するべき?

心身の疲れをリフレッシュし仕事の生産性を上げるのに役立つ「有休」。ただ、会社内の暗黙の了解による“有休マナー”なるものによって、むしろモヤモヤしている人も少なくないようです。今回はAll About編集部に寄せられた有休のお悩みについて、社会保険労務士の小西道代が解説します。
 

有休は何日前に申請するべき?

【今回のお悩み】
有休を取りたい日の何日前に有休を取得する旨を伝えるべきか疑問です。何日前までなら周りに迷惑をかけなくて済むでしょうか(30代女性/石川県在住)。
 

申請期限は会社の就業規則が決めている

【回答】
「周りの人に迷惑をかけたくない」という意識で考えているのが素晴らしいです。有休は働く人に認められた“権利”ですが、職場では複数人がチームで仕事をしているため、休むとき周りへの配慮を一切しないわけにはいかないでしょう。

有休を取得する旨を「何日前」に伝えるべきかについては、会社の就業規則を確認してください。法律では、有休の日数や付与される要件などが定められていますが、有休を取得するときの申請方法や申請期限などの具体的なルールは、就業規則で決められています。

この日に休まれると会社の業務に大きな支障が出るといった場合に限って、会社は別の日に有休を取るよう提案できる「時季変更権」があるため、法律上の決まりとしては、会社が時季変更権を使うかどうかを判断する時間的な余裕が必要といえます。

一般的に、就業規則には「3日前」や「1週間前」と記載されていることが多いです。業務の状況により判断されるため、半年や1年などあまりにも早い時期に申請しても、状況が読めないことを理由に保留とされることがあるかもしれません。ただし、2週間や1カ月などの長期にわたって有休を取りたい場合は、休むことが分かった時点で上長に伝えておくことがマナーといえます。
 

事前に準備しておく

就業規則には有休を取得するときの申請方法が定められおり、有休取得申請書や届出書のようなフォーマットを使用することがあります。より上司や同僚の心証が悪くならないように有休を取りたいと考えるのであれば、いきなりフォーマットに希望日を入れて提出することはやめましょう。有休中、本来自分が担当する業務を代わってくれる人に事前に伝えておく、自分が休むことで周りが困らないよう業務を整理しておくなどの準備は必要です。

そのうえで、上司へ「この日に有休を取りたいと考えています」と相談しつつ打診しましょう。本来は、事前の打診など不要ですが、周りに迷惑がかからないよう配慮していることを伝えるとともに、「チームワークを大事にしている」「責任感がある」など、好印象を与えることができます。

<調査概要>
仕事で有休を取得する際のマナーに関する疑問
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2025年1月28~29日
調査対象:全国10~70代の男女100人
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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