社会起業家誕生の影に鉄の女あり
社会起業家誕生の影に、鉄の女あり。 |
ときのサッチャー政権は、「ゆりかごから墓場まで」とまでいわれた福祉国家政策のスリム化をはかり、国営企業の民営化、徹底した規制緩和政策など導入し、経済の再建をめざしました。サッチャー元首相が「鉄の女」と呼ばれたのには、大英帝国の時代から脈々と育まれてきた古い仕組みをぶっ壊した大胆な改革があったからこそなんですね。
そのぶっ壊した古い仕組みの代わりに、新たな価値観を作ることを民間に任せました。その流れの中で誕生したのが、社会起業家です。社会起業家が、国が担えなくなった役割を独自の手法を使って解決したことで、停滞した社会を活性化する存在として注目され、広がっていきました。
日本で社会起業家が注目される理由
同様の動きは1980年代、規制緩和をし、小さな政府を目指していたレーガン政権下のアメリカにもおこっています。様々な社会の課題を地域で解決しようと、草の根レベルでのリーダーが登場しました。この動きが地域の産業構造を変え、アメリカ経済が好調へ向かった力となっています。……なんだか、これらの状況って今の日本に似ていると思いませんか? 経済が停滞し、累積赤字が山積する日本も、小泉政権下、大胆な規制緩和が進みました。それによって国民総中流意識が崩れ、格差社会が生まれ、また地方と都会の格差も深刻だと指摘されていますよね。
社会起業家が注目される理由が、ここにあるのです。さまざまな問題が噴出して、社会全体に閉塞感が漂っている今の日本だからこそ、社会システムを根本から変え「よい社会」をめざす社会起業家が注目されているといえます。
そして、その動きは確実に大きくなってもいます。それを「日本をデトックス?若き社会起業家の卵たち」でご紹介しています。
【ガイドから】
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