ボランティア/ボランティア関連情報

世界が尊敬する日本人、山田耕平さん登場(3ページ目)

アフリカのマラウイで青年海外協力隊の一員として活動しながら、エイズを訴える歌を作り、CDデビューした山田耕平さん。NEWS WEEK誌「世界が尊敬する日本人100人」にも選出された27歳の登場です。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

HIV感染者が増加し続ける日本

駒場祭ライブ
音楽を通じて、エイズは自分だけの問題ではなく大切な人の問題でもあることを伝えたいと山田さん。東大駒場祭にて。
山田さんは、現在、ライブを中心に講演、ワークショップなどを通して、日本国内のエイズ啓発活動にも取り組んでいます。

多くの人はHIV感染なんて自分には関係ないと思っているかもしれません。でも、日本で新たにHIV感染者とエイズ患者となる人は年々増加しています。2005年の報告された人の数は、1199人と過去最高を記録しました。

欧米ではエイズを深刻な問題ととらえ、対策が練られていることで、減少傾向が続いていますが、日本はその逆。先進国の中で、増加しているのは、日本だけなのです。その要因のひとつが“無関心”です。

政府も学校教育の現場でもエイズに関しての対応はほとんどされていません。家族や友人の間で語られることもほとんどないでしょう。でもその無関心がHIVやエイズへの正しい知識を持たないまま、感染してしまうという悪いサイクルを作ってしまうのです。

伝えたいのはシンプルなこと

サインに応じる
ライブの後にはサインを求められることも。サインをしたり、人前で話したりも「なんとかできるようになってきました」と笑います。
「僕が伝えたいのは『ちょっとエイズのことも考えてみようよ』ということなんです。それは紙1枚で終わるかも知れないし、10秒、20秒ですんじゃうかもしれない。それを音楽や、僕が経験したマラウイの話などを通して伝えていくことが僕の役割だと思っています。

エイズを研究する大学の先生もいれば、啓蒙活動をするNGOがあるように、それぞれの役割があると思うんですね。皆、それぞれの立場で訴え、考えていくことで、大きなムーブメントを起こしていくことができるんだと思います。」

山田さんは本当に柔軟で軽やか。インタビューをしていても「社会問題を訴える!」といった気負いは全く感じられません。アフリカの文化と、音楽と、エイズと、そのどれもを同じテーブルにのせ、同じ目線で語りながら、多くの人に問題の本質を届けているのが、とても魅力的です。

今後は、自身が立ち上げたNPO「パートナーオブアフリカ」を通して、エイズ対策の活動をしていく予定です。ドナーの意を尊重し、協力してくれた人や参加してくれた人も皆がHAPPYになるようなNPOにしていきたいそう。その柔軟な発想とフットワークの軽さで、楽しい活動を行っていくことでしょう。これからも大注目の27歳です。

【関連サイト】
・All About世界情勢・時事ニュース今日も誰かがエイズで…(1)(2)……エイズの厳しい現状、治療の今がわかりやすく紹介されています。
財団法人エイズ予防財団……エイズに関する予防、啓発活動を行う。まずは知ることから始めよう。
Sony Music Online……ディマクコンダのダウンロードはこちらから。
山田耕平公式サイト……最新情報はこちらから。
山田耕平オフィシャルブログ ~ディマクコンダ~fromマラウイ……生の声はこちらから。
ワールドエイズデーシリーズ2006(World AIDS Day Series 2006)……若者による若者のためのHIV/AIDS予防啓発キャンペーンのサイト。12月20日までさまざまなイベントが行われている。
基本情報 マラウイ共和国……外務省のサイトから。

【ガイドから】
・ボランティアガイドのメルマガのご登録はお済みですか?こちらからご登録してくださいね。
・前回記事は、「マドンナVSアンジー?ボランティアセレブ10」です。今年華やかな話題を振りまいたボランティアセレブの活動をご紹介しています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます