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ハリウッドセレブに学ぶ輝き続ける生き方(3ページ目)

限られた人生、人のため社会のために生きるのも選択肢の1つ。多忙な仕事のかたわらボランティアに力を注ぎ、国際社会から愛され続けるハリウッドのセレブからこれからも輝き続けるための生き方を学びましょう。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

ハリウッドセレブがボランティアで得るものは

「世界中の人に自分以外の人々のことを考えてもらいたい」。親善大使オードリーはこの言葉を千回以上も繰り返したといわれます。©UNICEF/ HQ05-1711/ Asad Zaidi
親善大使の活動は、アンジェリーナにもオードリーにも新たなる社会的評価をもたらしています。欧米では、持てる者が持たざる者を援助することは、セレブの責任の1つとする考え方があります。根底にはキリスト教の奉仕精神があるためで、災害が起きると多くの著名人がいち早く寄付を表明するのがその良い例です。

でもアンジェリーナは寄付にとどまらず(寄付もすごいですが)、その真摯な活動によって「難民支援に奔走するアンジェリーナ・ジョリー」と、国際社会からの評価を得ました。

それは、単なるゴシップ女優の汚名を返上しただけではなく、名実共に「セレブ」の仲間入りももたらしたといえます。アンジェリーナの出演作は上げられなくても、難民支援とナミビアでの出産だけは知っているという人も多いはず。

そしてオードリーも晩年のユニセフでの活動を抜きには、その人生を語れないと言っても過言ではないでしょう。1993年に亡くなったときには、当時のレーガン大統領を始め、多くの人がユニセフでの功績を賞賛しました。それは、同じようにユニセフの親善大使を務めたロジャー・ムーアのこんな言葉に象徴されます。

「ハリウッドにあんな人はいない。他人のことばかりに一生懸命で、自分のことは後回しなんだから」
その功績は多くの人の胸にしっかりと刻み込まれ、今も語りつがれています。

ボランティアで得る幸せの形

ますます深刻になる先進国と途上国との格差。世界中の子どもたちが心身ともに健康に暮らせる社会にすることは、21世紀の地球の課題です。©UNICEF/HQ04-0635/Giacomo Pirozzi
なぜ、2人はこれほどまでにボランティアに熱意を注ぐことができたのでしょうか。

真意は本人にしかわからないものの、ガイドは2人とも、誰かのために行動したことから得られる充実感というこれまでにない形の幸福を得たからではないかと思います。

幼い頃から家庭に恵まれなかったオードリーがなにより望んでいたのは、スターとして世界中から愛されることよりも、子どもの頃に手にすることのできなかった温かな家庭生活だったといわれます。一時期は、仕事を控え、子育てに専念したのもそのためです。にもかかわらず、2回の結婚は、いずれも夫の女性関係が原因で破綻してしまいました。

このことが、オードリーの心に大きな影を残したといわれます。晩年の数年間を途上国の子どもたちの援助活動に没頭することを通じ、欲しくても手に入らなかった心の空白を埋めることができたのではないでしょうか。

アンジェリーナもこんな発言をしています。
「20代前半は、自分と格闘をしていたの。今はそのエネルギーをもっと大事な活動にぶつけているのよ」
若くしてハリウッドでの名声を得ただけでは、満ち足りない何かがアンジェリーナの心にあったのかもしれません。スキャンダラスなプライベートを求めるだけでは、満足できなかったその何かが、アンジェリーナにとってはUNHCRの活動であったように思えます。

輝き続ける自分でいるための魂の使い方とは?

障害を持つ人、からだの不自由なお年寄り、家庭に恵まれない子どもたち、途上国に住む人たちなど……これまでと違う価値観をもつ人たちに触れ、その人たちのために自分の時間を使うのがボランティア。その魅力は様々な人と出会うことで、社会を学び、エネルギーをもらえることです。ボランティアに“はまった”経験のある多くの人がこう口にします。

「誰かのためにと思って活動していましたが、気づいたら、こちらが元気をもらっていました」と。大げさにいえばこれまでとは違った充足感や達成感を得られ、自身が生きている実感を持てるから出てくる言葉です。

人の生きた価値は、物やお金をどれだけ持ったかだけではかることはできません。自身の生き方を肯定でき、自分を大切に思えないと、物やお金をたくさん持っていてもどこかで空虚さを感じてしまうように思います。

アンジェリーナもオードリーも、途上国の人たちの役に立つことで、それを実感できているからこそ、途上国の支援活動に力を注いだのではないでしょうか。

もちろん、ハリウッドセレブのような大きな活動は私たちには無理です。でも、1日は24時間あります。1年は365日です。その中のほんの少しの時間でも、社会や誰かのために使ってみませんか? 小さなことでも、その積み重ねは、あなた自身を大切に思う気持ちを育て、これからも輝き続けるための糧にできるはずです。

【関連サイト】
・リンク集 国際社会に貢献しよう……途上国のために活動するヒントを集めたリンク集。たった1時間しか時間がなくても国際協力はできるんです!
・All About 心の病気「心の病気と有名人VOL11.オードリー・ヘップバーンの軌跡」……多難の人生を歩んだオードリーの心の風景を精神科医の中嶋 泰憲ガイドが分析しています。
・All About 結婚生活「ブラピとアンジーに学ぶ、新しい幸せの法則」……「夫婦仲と性の相談所」所長の二松ガイドも形にとらわれず、自分の気持ちに素直に行動するアンジェリーナ・ジョリーの生き方を絶賛。

【ガイドから】
・前回記事は、「プチボランティアしてみませんか 世界の味が集結!グローバルフェスタ開催」です。9月30日、10月1日のフェスタにはUNHCRも参加予定です。その他、各地の注目イベントを紹介しています。
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