車内全部が優先席

横浜市営地下鉄は「全席優先席」を取り入れています。あなたは賛成ですか? 反対ですか?©横浜市交通局
「優先席にはあなたが座ろう!」という提案は確かに目から鱗の発想ですが、障がいを持つ当事者である牧口さんから出されたことの意味も、私たちは考えないといけないのではないでしょうか。

だって、これってとっても逆説的な方法。
「そうでもしてもらわないと、なかなか譲ってくれる人が少ないんだよね~。」
ということの証でもありますよね。こういう方法を取り入れないと、優先席ですら自然に譲れる人が少ないというのも、ちょっと寂しい気がします。

優先席が登場したのは、1973(昭和48)年9月15日、敬老の日のことです。当時は、シルバーシートという名前でしたが、全国に広がり、名称も「優先席」と代わって今に至っています。

当初から「こんな席を作ったら、他の席は譲らなくてもいいと受け取られるのでは?」など、様々な議論がされてきました。その議論は今でもなくなったわけではありません。

ただ、最近は、「やはりどの席でも譲ってあげようよ」という動きも出てきて、関西の阪急電車や、横浜市営地下鉄などで「車内の全部が優先席」、つまり事実上の「優先席廃止」とする試みも行われています。利用者からは、賛否両論あるものの、おおむね好評だとか。

ガイドは、優先席はないほうがいい派。優先席だろうと、そうじゃない場所だろうと「どうぞ」と譲ることが当たり前である車内の方が、誰にとっても居心地がいいと思うからです。

「席を譲らなければならない」とガチガチに考えない!

不特定多数の人が利用する交通機関。思いも事情もいろいろ。難しく考えずにできる人から「どうぞ」と声をかけていきましょう。
もちろん、長距離通勤の方などは「せっかく座れたのに……。」という思いもあるでしょう。荷物をたくさん持っているときや、とても疲れているようなときも、やはり譲るのには抵抗があります。

そういった余裕のないときにまで、譲ろうとしなくてもいいんじゃない? とガイドは思います。もちろん、そういったときには優先席に座ってはいけません。ただ、ここで大切なのは、そのときに、もし「なんとなく後味が悪いな」と感じたら、その気持ちだけは忘れないこと。そして、次の機会に席を譲れればいいのではないでしょうか。

「できる人ができることをする」のがボランティアの基本。「こうせねばならない」とガチガチに考えてしまっては、なかなか体が動きません。気軽に「どうぞ」と言える余裕のあるときには、優先席だろうとそうでなかろうと、席を譲る。それが思いやりであるし、その積み重ねが、社会を風通しのよい、居心地の良いものにしていくことにつながるのではないでしょうか?

次のページでは、「譲ったのに断られちゃった!」ときを考えましょう。