写真と関わっていたいから選んだボランティア
参加者のネガを選びサポートする。さりげなくそばにいて、やさしく声をかける姿はさすが。 |
東京都写真美術館でボランティアを始めた理由を教えてください。
城所:
元々、写真は撮るのも見るのも大好きで、以前は写真館で働いていたこともありました。今は、転職をしてしまったのですが、なんらかの形で写真に触れていたいと、漠然と考えていたときに、たまたまネットで写真美術館のボランティア募集の案内を見たのがきっかけです。参加者としてワークショップにもよく来ていましたので、ボランティアという形で、写真に関わるのもおもしろそうだなと、応募しました。
ガイド:
具体的にはどのような活動をされているのでしょうか。
城所:
ワークショップ全体のサポートです。講座の最初に、学芸員が今日はどんなことをするかを一通り説明するのですが「さぁ、やってみてください」と言っても、初めて来た人がすっと作業に入るのは難しいんですよ。私たちボランティアは、様子を見ながら声をかけたり、具体的に道具の使い方を教えたりをしながら、参加者の方がスムーズに作品を完成できるようにサポートをします。
ワークショップは午前と午後の2回あり、その両方に参加しますから、朝9時に来て夕方6時までが活動時間。ほぼ、1日仕事ですね。正直、天気の良い日は「ああ、今日は洗濯したかったな」と恨めしく空を見ることもありますよ(笑)。
現像した写真への学芸員のアドバイスや意見には、つい耳を傾けてしまう。写真を見る目を養う意味でも良い勉強になるそう。 |
どのくらいの頻度で活動に参加されているのですか?
城所:
月に1~2回です。事務局から「○月×日にこういうプログラムがあるから参加してくれませんか?」と連絡メールが届くので、都合があえば「じゃ、行きます」と。でも、最初の頃は数ヶ月に1回程度でしたね。ここでは、「あなたの仕事はこれです」と細かい指示をされるわけではないので、最初は何をしていいのかわからず、居場所がないような気がしていたんですよ。
でも、回数を重ねていくうちに知識が増え、どう動くかもわかってきたら、活動に参加することが楽しくなってきたんです。本当はもう少し、ボランティアをしたい気もしますが、休日が丸1日つぶれてしまうことを考えると、このくらいがちょうどいいのかなと思っています。
ガイド:
参加は土日が中心ですか?
城所:
基本的にはそうですが、子どもと関わるのが好きなので、有休休暇を使って平日のスクールプログラムに参加することもあるんですよ。スタッフが小学校を訪問するプログラムもあるので、「○月×日 □○小学校でスクールプログラムがあります。終了後、給食をごちそうになります」と連絡メールが来ると「食べたい。じゃ、行こう!」なんて即決したり(笑)。大人になると、なかなか給食を食べる機会もないですから、これは、このボランティアの特権(笑)かな。