ボランティアは社会のニーズを掘り起こすダイナミックな活動です
外国籍の子どもたちの学習支援を行う学生NGO、CCS(世界の子どもと手をつなぐ会)の活動風景。日本語を母国語としない子どもたちの教育をめぐる問題点を掘り下げながら、柔軟な活動を続けている。 |
ボランティアは、何らかの課題に対して、何が必要なのか、改善のためにはどうすればよいかを模索する活動です。そのためには、従来の考え方にとらわれることなく、自由な発想やアイディアを元にした、ダイナミックさが必要とされるのです。基本精神で紹介した「創造性・開拓性・先駆性」がこの部分。ここがボランティアのおもしろい点です。
ボランティアは個性や持っている力が発揮できる場
たとえば「障害を持つ人への理解を深めるために交流会を開こう」と、決めたとします。まずは、いつ、どこで、どんな人を対象に、どんな交流会を展開するのかを決めなければいけません。それが決まれば次は資金です。どこから資金を調達し、予算をどう組むかを決定しないと、交流会は開けません。同時に、交流会で楽しんでもらうためにどんなプログラムを組むか、誰の協力をあおぐか、当事者はどんな役割を担うのか、また、広報は誰が担当し、どうアピールするか、さらには、当日のスタッフの役割分担はどうするかなど、考えなければならないことはたくさんあります。
何かを成し遂げようとすると、プロデューサーとしての手腕や、ディレクター的な発想力も必要なのです。その行動が社会のニーズを掘り起こすことにもつながり、ときには、行政や企業をリードしていくことさえあります。開拓性と先駆性をもって時代を読み、新しい何かを作りだす創造性が試されるのです。
しかも、行政のように規則や組織に縛られないことや、企業のように利潤追求が優先されないことも利点。柔軟に行動でき、それぞれの個性やアイディアなど、持っている力を発揮しやすい活動ともいえます。
ね、ボランティアって、地味でつらい活動じゃないでしょう? もちろん「これがしたい!」の実現は、コツコツと地道な日常の行動を積み重ねた上で成り立つこと。地道な活動があってこそ、ダイナミックなおもしろさも味わえるといってもいいでしょう。
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