ニセ街頭募金活動がもたらす悪影響

小さな子からお年よりまで地域の人が一丸となって街頭活動を行っていた裕美さんを救う会。ニセ街頭募金は、コツコツと活動する小さな団体にこそ大きな打撃を与えている。
ニセ街頭募金は人の善意を踏みにじる悪質な犯罪です。同時に、これまで地道にコツコツと行っていた募金活動の信頼までをも失墜させかねない恐れもあり、二重の意味で許し難いといえるでしょう。

活動する側にとっては、街頭で抱えている問題を訴え、募金や署名を募る形態は、より多くの方からの理解を得るために大切な活動です。それが緊急であればあるほど、街頭での活動が重要になってもきます。

しかし、こういったニセ募金活動が増加し、手口が巧妙になっていくと、地道に活動する団体の信頼性までもが揺らいでしまいかねません。街頭活動そのものへの不信感が募り、一般の人の協力が得にくくなってしまう危険性があるのです。

小さな団体へのダメージ

実際に、街頭活動での募金額が落ち込むなどの悪影響も出ています。特に、知名度の低い小さな団体に顕著です。

拡張型心筋症という難病を患う井辺美摘さんを支援する「みつみちゃんを救う会」(和歌山県・目標額に達したため、街頭募金は終了)では、疑惑が報道された直後の05年4月23日、24日の2日間、大阪駅前で街頭募金活動を行いました。このときの募金額は23日が103,185円、24日が183,620円。もちろん、決して少なくはない額です。しかし、別の団体が同じ大阪駅前で3年前の同時期に、同様の目的で街頭活動を行った際には、70万円を超える募金が集まったことと比べると、額が落ち込んでいることがわかります。

会の代表の橘和延さんは「事前に美摘ちゃんの写真入りのチラシを用意し、正当な目的での活動であることをアピールしました。それでも、反応は良いとは言えませんでした。難病支援を名目にしていたニセ団体の影響が、少なからずあったと思います」と話します。

また、同じ拡張型心筋症を患う17歳の高校生、本田裕美さんを支援する「裕美さんを救う会」(東京都墨田区・2005年6月29日に目標額に達したため募金受付は終了)でも、街頭募金活動を行っていると、通りがかりの人から「ニセ募金だろう」など、ひどい言葉を浴びせられ、困惑したそうです。

こういった団体では、少しでも理解を深めてもらおうと、数ヶ月先の募金スケジュールや収支の管理をサイトで公開、頻繁に更新する、募金箱に名前や連絡先などをわかりやすく明記するなどの対応をし、広く理解を得る努力をしています。しかし、全国で頻発するニセ募金団体の手口に、追いつかないのが現状なのです。
次ページではニセ募金団体を見極める方法を考えていきましょう。