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スマトラ沖地震と津波…被災地の“今”(4ページ目)

未曾有の大災害となったスマトラ沖地震と津波。いち早く現地にかけつけたNGOはどんな活動をしたのでしょうか。そして私たちにどんな支援ができるのでしょうか。(写真・被災直後のタイ南部の様子。提供・シェア)

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

求められるのは、忘れないこと。そして、関心を持ち続けること

被災直後のアチェ州ムラボー。津波の影響で街中が水浸しだった。©PWJ
各NGOには、私たちがこれから被災地のために何ができるかの質問もしてみました。共通して返ってきたのは、「忘れないこと。関心を持ち続けること」でした。現地は確かに復興に向かってはいます。

しかし、それで問題が解決したわけではありません。

たとえば、被害の最も大きかったインドネシアに限っても、家などを失い、避難民となった50万人のうち、今も約20万人が避難生活を送り、そのうち6万7500人がテント暮らしを続けています。さらに、田畑や漁船などの生活の糧を失ったことで食料の援助を受けている人は50万人ともいわれるのです。被災し、家を失った人のために必要とされている11万戸のうち、完成したのは4分の1にしか達していません。

また、長引く仮設住宅での生活によるストレス、震災時に受けた心の傷、今後の仕事や生活への不安、さらには政府への不満など、新たな問題も浮かび上っています。それらは、その国や地域の政治的、社会的な問題を反映しており、一過性の支援では解決しにくいことばかりです。

これまで以上に、地域に根ざした細やかな支援が必要とされているといえるでしょう。ただ、そういった支援は、大がかりなものではないためか、マスコミでは取り上げられる機会もなかなかありません。だからこそ、被災地のことを忘れずに、そして世界をつなぐネット等を通じて関心を持ち続けることが大切なのです。

一歩踏み込んでアクションを起こすなら……

子どもたちに笑顔が戻った。でも、解決しなければならない問題は山積みだ。©JEN
もう一歩踏み込んで、具体的なアクションを起こしたいなら、募金という形で支援することもできます。支援に関わっているNGOを直接招き、ミニ講座を開いたり、写真展を開催し、多くの人と情報を共有することもできます。時間とお金に少しだけ余裕があるなら、現地の支援状況を見に行くスタディツアーなどに参加するのも、知るための良い方法です。

家族も家も仕事も失ってしまった被災者の生活が元に戻るには5年、もしくは10年かかるともいわれます。人々の注目が薄れかけてきたこれからこそが、被災地が自立し、平和が戻るために大切な時期であるのです。

【関連サイト】
・関連リンク集 スマトラ沖地震・津波……スマトラ沖地震の被災地からの最新情報。
・関連リンク集 国際社会に貢献したい……各NGOの最新情報はこちらから。
・関連記事  緊急報告 パキスタン大地震の被災地から……05年10月に起こったパキスタン大地震の被災地からの緊急報告
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