求められるのは、忘れないこと。そして、関心を持ち続けること
被災直後のアチェ州ムラボー。津波の影響で街中が水浸しだった。©PWJ |
しかし、それで問題が解決したわけではありません。
たとえば、被害の最も大きかったインドネシアに限っても、家などを失い、避難民となった50万人のうち、今も約20万人が避難生活を送り、そのうち6万7500人がテント暮らしを続けています。さらに、田畑や漁船などの生活の糧を失ったことで食料の援助を受けている人は50万人ともいわれるのです。被災し、家を失った人のために必要とされている11万戸のうち、完成したのは4分の1にしか達していません。
また、長引く仮設住宅での生活によるストレス、震災時に受けた心の傷、今後の仕事や生活への不安、さらには政府への不満など、新たな問題も浮かび上っています。それらは、その国や地域の政治的、社会的な問題を反映しており、一過性の支援では解決しにくいことばかりです。
これまで以上に、地域に根ざした細やかな支援が必要とされているといえるでしょう。ただ、そういった支援は、大がかりなものではないためか、マスコミでは取り上げられる機会もなかなかありません。だからこそ、被災地のことを忘れずに、そして世界をつなぐネット等を通じて関心を持ち続けることが大切なのです。
一歩踏み込んでアクションを起こすなら……
子どもたちに笑顔が戻った。でも、解決しなければならない問題は山積みだ。©JEN |
家族も家も仕事も失ってしまった被災者の生活が元に戻るには5年、もしくは10年かかるともいわれます。人々の注目が薄れかけてきたこれからこそが、被災地が自立し、平和が戻るために大切な時期であるのです。
【関連サイト】
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