共感できる子どもは共感できる親から育つ

親子の手
子どもの共感性は親が育てる
米国フィラデルフィア・ドレクセル大学発達心理学教授 メーナー・シュアは著書『それは子どもに考えさせなさい』の中で、「わが子に自分の考えを理解させたければ、まず親がわが子の考えを理解していることを示さなければならない」と書いています。これは名言です。子どもに共感性を要求する前に、親が共感性を供えていなくては、子どもの思いやりの心を育むことができないというわけです。

では他人の気持ちが理解できる子どもにするには、親がどのような働きかけをしたらよいのでしょうか。頭ごなしに叱るのは最低です。子どもの気持ちを理解できない親になってしまいますから。しかし、子どもに「相手の立場になって考えろ」と言っても無理です。もう少し具体的に話してやれば分かってくれるはずです。

自分の気持ちを自覚して、他人の気持ちを知る

先ほどの例で、玩具を取り上げてしまったB君には、「もしあなたがA君だったらどうする?」と言うよりも効き目のある言葉があります。

「玩具を取られてあなたは悔しかったのね。その気持ちはわかるわ。でもね、もしあなたが遊んでいる玩具を誰かに取られてしまったら、どんな気持ちがするかしら?」と聞きます。これなら自分の気持ちを尋ねられているので簡単に答えられます。

もしB君が「頭にくるよ」と答えたら、「じゃあ、さっき玩具を取られてしまったA君はどんな気持ちかしら?」と続けて尋ねれば、A君が自分と同じ気持ちだということが理解できます。

幼児に他人を思いやる心を持たせるには、同じことが自分の身に起きたらどんな気持ちがするかを思い出させて、他の人も同じなのだと教えると良いのです。これは子どもに「ごめんなさい」と謝らせるよりも大事なことです。

子どもが何か謝らなくてはすまないできごとを起こしたら、相手の気持ちをわからせるように働きかけます。そうすることで心から「ごめんなさい」と言えるでしょうし、今後は同じような事態を避けることができます。

そしてその際に忘れてならないのは、子どもの感情を受けとめてやることです。これをしないで、他の子の気持ちを考えさせても効果がなくなってしまいます。「あなたもOK」かつ「彼もOK」だけど「ちがうやり方はなかったか?」という方向へ導くと上手くいきます。

まとめ

■良い子どもは共感性がある子ども
■共感性を育てるには、他人の気持ちを自分に置き換えて示す
■わが子に自分の考えを理解させたければ、まず親がわが子の考えを理解していることを示さなければならない

以上の3つのポイントを押さえて、うまくお子さんをリードして思いやりの心を育んでいって頂きたいと願います。

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