子どもの世界への道しるべ
子を持つ親もかつては同じ子どもだったはず。でも子ども時代の感性を失ってしまっていることに気づいて欲しい。子どもは彼らなりに考え悩んでいる。それを知るための良い手段がある。以前は児童文学と呼ばれていたジャンルだが、今ではその中からYAすなわちヤング・アダルトというティーンエイジ向けの新しいジャンルが生まれ、数多くの小説が出版されている。その中には後におとな向けの小説で賞を取っているようなすぐれた作家の手になる作品も多い。
子どもの世界への道しるべとなるこれらの小説を読んで、子どもたちがどんな世界で生きているのかを知って欲しい。私のガイドメルマガやメルマガ読者だけのお薦めリンクページでも度々紹介しているが、その中からいくつかの作品を再度リストアップしておく。
■重松清「きよしこ」
吃音の少年が何度も転校を繰り返し、笑われたり受け入れられたりしながら成長していく物語。
■重松清の代表作「エイジ」
難しい年頃の子供を持つ親、これからその年代になる子を持つ親、いや全ての子を持つ大人に進めたい小説。
■魚住直子「超・ハーモニー」
「多感」の一言で片付けられない衝動や鬱屈した少年の内面が描かれる。中学生だった頃の自分を思い出させるような作品。
■後藤竜二著「12歳たちの伝説(1)」
おとなが知らない小学生たちの今を垣間見ることで、少しでも彼らを理解する助けになるだろう。
■森絵都「永遠の出口」
主人公の女の子が小学5年生から高校を卒業するまでを描いた小説。思春期の内面が細部に渡りリアルに描かれている。屋根裏部屋の物置にあるタンスの引き出しを空けて、思いがけず懐かしい品物を見つけたような感覚を味わえる。
■hanae*次ページは、子どもとのふれ合い方について考察