以前「お手伝い」は最高の幼児教育という記事を小学校受験する保護者向けに書いた。よく考えてみるとこれは中学受験にも当てはまるのだ。では、どんな点が有用なのか検討してみよう。

入試問題の変化

電車の広告で日能研の「□いアタマを○くする」を見たことがあるだろう。最近のものは、いわゆる「新傾向」の問題が掲載されている。例えばリンゴの産地とみかんの産地について、両方がたくさん取れる地方は存在しない(温暖な地で育つみかんと、寒冷地で育つリンゴの産地が両立しない)ということが、個々の知識から論理的に導けるかどうか試されている。

これはOECDによるPISAタイプの問題で、知識の応用力(=リテラシー)を見るための問題だ。このような問題が増えたわけは、
  • 21世紀に必要とされる人材像
  • 入学後に必要とされる素養
  • 中学受験に過適応した子どもの排除
などが考えられる。

子どもを取り巻く環境の変化

ジュース
皮をむくのが面倒だから、ジュースを選ぶ、そのような手軽さを追っていては知恵が身につかない
地方も含めて都市化が進み子どもを取り巻く環境が極端に人工的になってきている。例えば「野球食」の著者である管理栄養士の海老久美子氏が語っているように、「今のこども達は果物とジュースが目の前にあったら、大多数がジュースを選ぶ」のだ。「皮付きの果物は剥いて食べるのが面倒くさい」という理由らしい。現代は食べやすいように加工されている食品が氾濫している。

同じように、何でも便利に寄り簡単にして与えられるものが多い。始めからそれしか知らないと、マッチをすれなかったり、缶切りを使えない子どもになってしまう。

そうではなく、生き物を触ったりつかまえたりでき、子どもらしい好奇心を持った知識が体験として身についた子どもを私立中学は欲している。小学校入試でバッタをつかまえさせたりする学校があるのも同じ理由だ。

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