通過してから配られる書類を見よ
掲示板などでよく見かけるのは、「明日が抽選なんですが、もし通ったら何を準備すればいいのですか?」という種類の書き込みです。人に尋ねる前によく書類を読みましょう。前述のように写真のように準備に時間を要するはサイズなどを含め、要項に書かれているはずです。試験日程については日程表に、その後のことも2次の手続きに必要なものは、1次抽選後に配布される説明に記載されます。先のステップの説明は、そのステップを通過した人に配られるシステム(経費節減のため?)ですから、入試が始まる前に気をもんでも仕方ありません。受け取り損なうことがないように注意します。
体調管理は万全に
国立小入試は私立小よりも遅いので、季節的にも気温が低く体調を崩しやすいものです。しかも校舎は私立のように設備が整っていないので、暖房が行き届いていなかったり、廊下で列を作って並んで待っていたりと寒い思いをすることがあります。熱があっても保健室での受験ができるとは思いますが、そのような状態で実力を発揮するのは難しいでしょう。また軽い風邪で咳が出ているような場合も困ります。ひどい咳だと他の受験生の迷惑を考えない家と思われそうですし、マスクをすると答える際に声がこもってしまいます。
やはり事前に規則正しい生活ときちんとした食事を採って、風邪を引かないようにするのが一番です。風邪気味の時は市販薬で済ませず、医療機関にかかって、入学試験があることを伝えて薬の処方を受けるなどしましょう。インフルエンザのワクチン摂取も今ごろが適しています。
国立の試験の特徴は?
まず第一に運動のテストがあることでしょう。これは運動能力を測ると言うよりも、「指示行動を守れるか」「一生懸命取り組む姿勢」に主眼が置かれます。よく筑波で出されるクマ歩きについて、相撲のすり足のように左右の足と手を同時に出すべきと指導する塾もあります。でも「これが正解のクマ歩き」というものはなく、なるべく速く進むよう一生懸命やることです。前述のやり方をしなくても合格する子はいます。次に実物を使った考査が行われることが多く見られます。例えば、
・生きたザリガニを容器から容器へ移し替える
・ティッシュペーパーを弁当箱に詰めて、お弁当を作る
・箱の中のものを目で見ず、手で触るだけで当てる
などです。与えられた課題の巧拙よりも、苦手なものにもチャレンジする姿勢があるかとか、未経験なことに対してどう対応しているかなどプロセスが見られます。
中には保護者面接で20秒、30秒という時間を区切って、与えられたテーマについて話す学校もあると聞きます。
国立にも子どもの相性があるか?
これは本当によく質問されます。当の学校関係者ではないのではっきりとは言えないのですが、印象としてはタイプがあるように思えます。・リーダーシップがある
・集中力がある
・頭の回転がすばらしく速い
・物おじしない
・約束をきちんと守れる
・自己表現力がある
こういった要素を複数持つ子どもが多く選ばれる学校と、飛び抜けていなくても、指示行動が守れるなどの一定水準を越えていればOKで、どういう基準で選んでいるのかよくわからない学校の2種類に分かれる気がします。
国立小学校は教育系学部の附属校という性格から、新しい教育方法の実験校の役割があり、大学との結びつきの強さが小学校に影響しているのではないかと推測できます。実験的役割が強まれば、できるだけ多様な子どもが必要になってきます。それが選抜方法に表れるのではないでしょうか。
国立の方が私立よりも「子どもらしさ」のウェイトが大きいように感じます。幼児教室で鍛えられ過ぎると国立小では目立たなくなってしまうかも知れません。逆に言うと、私立小入試で行動観察が苦手だけれども、国立では伸び伸びできる子どもがいるわけです。
国立小学校入試がおわかりいただけましたか?入試までに様々な物に触れさせる時間はたくさんあります。公園に出かけて虫探しをしたり、家事の手伝いをさせたりしましょう。例えばご飯や味噌汁をよそる(よそう)など、失敗を恐れてさせていなかったことにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
これまで未体験の事柄に挑戦して失敗することで、リスク対応力が身につくのです。このような経験は、入試があってもなくてもお子さんの成長に役立つに違いありません。
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